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by ruhiginoue

『CSI 科学捜査班』

 井の頭公園切断死体事件は、迷宮入りのまま時効になった。
 アメリカのようにして時効を無くせという意見もある。
 しかし、ただ長く捜査しても、不可能が可能になるわけない。科学捜査が進歩して解決できるようになるかもしれないが、むしろ証処が散逸してしまい駄目ということのほうが多いだろう。
 また、冤罪事件として有名な「徳島ラジオ商殺し事件」や「弘前大学教授夫人殺し事件」は、時効になることで真犯人が名乗りでた。
 そんな現実の中で、時効撤廃がどれだけ有益だろうか。
 死体損壊の殺人というと日本でも放送されたアメリカの人気テレビドラマ『CSI科学捜査班』を連想するが、これを観ていると、日本の現実が情けなくなる。日本は科学捜査が進んでいるというけれど、それにしては解決しない事件や、とんでもない冤罪事件が多すぎないか。
 『CSI』に描かれる、科学捜査を重視して推理や自白よりまず物的証拠という登場人物たちは、理想の姿を表現したフィクションだが、その中で当たり前のように浮かび上がる意識の違いはどうか。
 例えば、殺人事件の証拠とされる凶器について、裁判になったさい問題が起きる場面の描かれ方。
 CSI捜査官が鑑定の結果間違いないと法廷の予備審査で証言するが、では、それを被疑者が持っていたのはどうかという話になったら、被疑者の自動車の中にあり、交通違反で警官に止められたとき見咎められたとのこと。
 だけど、その際、警官が令状の申請を忘れていたため、押収ではなく勝手に持ってきたことになってしまった。よって違法収集証拠につき採用できないと弁護士は主張し、これを裁判官も支持。警官のうっかりミスのため、決定的かと思われる証拠が無くなってしまい、別の証拠を探さねばならくなる。
 あくまで手続き上のことなのに、それで被疑者を追及できなくなりCSIの面々は悔しがる。
 しかし、公権力が行使されるに当たっては、手続きをきちんとすることは当然のことであり、でなければファシズムにつながる。それに比べれば、殺人犯を逃そうと、まして自分たちのメンツが潰れようと、大したことではない。だから前向きに気持ちを切り替えて新しい証拠を探すべきだと捜査官たちは決意する。
 これはストーリーの核心とかテーマではなく、話が進行する前提としてさりげなく出て来るだけのこと。そこが日本とは大違いで、たいへん激しい意識の落差がある。

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by ruhiginoue | 2009-04-23 09:49 | 社会 | Comments(0)