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by ruhiginoue

足利事件17年、松戸事件16年

 再審無罪の公算が大きい足利事件だが、働き盛りの年齢を棒に振った菅家氏に国から賠償があるかどうかは微妙らしい。「結果として間違いだと判ったが、あのときは仕方なかった」ということにされてしまうことが良くあるからだ。冤罪があるのは裁判が国側に甘いからであり、それは同時に当然ながら、国家賠償もなかなか認めないということになる。
 ところで、菅家氏は17年間も囚われの生活だったが、これに近いのが1974年に「首都圏連続女性殺人」と騒がれた「松戸事件」で無罪が確定した小野悦男氏の16年間である。彼は国からの補償があり、まとまった金を持っていた。そのうえで就職もし、釈放されてから知り合った女性と同棲を始め、社会復帰が順調であるかのように見えた。
 ところが彼は96年に別の事件で逮捕された。同棲していた女性を殺したのだ。そのため、松戸事件も実は犯人だったのではないかと噂されてしまった。もちろん、被害者が女性というだけで他は共通項もなく無関係なのだが、同棲していた女性を殺したのは当人も認めるところであり、問題はそこに至る過程だった。
 あまり具体的に公にすると差し障りがあるらしいので大雑把に説明するが、小野氏が同棲していた女性とはいわゆるトンデモな人で、そうとは知らずに小野氏は拾って持ち帰ったような形で同棲したところ、彼女は小野氏のお金を自分の遊びに浪費しはじめた。その金とは、長年囚われていたことへの補償金と、その後やっと就職しての稼ぎである。焦った小野氏は女性と諍いになり、ついにブチ切れてぶん殴り死なせてしまったということだった。
 苦労してやっと自由の身になり社会復帰しはじめたのに、また囚われの身となり現在も服役している小野服役囚は、普通の生活から長い間遠ざかっていたため、判断力が脆弱だったようだ。これを支援者たちは後悔している。それなりに配慮してはいたが、しかし事件を材料にして権力を批判することのほうに気をとられて、肝心の権力犯罪の被害者への配慮が、ややおろそかになってしまったきらいがあるとのことだ。
 その点について、今後の菅家氏には最大限の注意をしてもらいたいものだ。また、経験により冤罪に苦しむ人を助けたいそうだが、そう言いながら被害者を嘲笑して悦に入る人がいるから、充分気をつけて欲しい。そんな奴から傷つけられないように。もちろん、そんな奴に自分がならないようにも。

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by ruhiginoue | 2009-06-05 03:35 | 司法 | Comments(0)