コメントの他に、表示されている著書をクリックしてその感想をアマゾンのレビューに投稿してくださることも歓迎です。おたよりはこちらへruhiginoue@excite.co.jp


by ruhiginoue

裁判所前の困った老人

 裁判所前で毎日のように裁判所批判の演説をしている老人がいる。
 これを撮影してyoutubeに投稿している人は持ち上げているが、しかし映っている看板を見れば失笑ものだ。この老人がかつて当事者となった裁判の一二審は誤認判決であるとして上告したが、最高裁に門前払いされたと非難している。憲法違反でも、判例違反でも、採証法則違反でもない。はねられて当然だ。しかしこの老人は、その意味がまるで理解できない。
 どうしても不満なら霞が関ではなく永田町に行くべきだ。法律を改正して制度を変えないといけない。しかし、その意味も彼には理解できない。
 また、最高裁が「デタラメ判決」をしたので許せない「最高裁をぶっつぶせ」と叫びビラも貼っている。そして、その「判決文」のコピーを、「ご自由にお持ち下さい」と表示して置いてある。これを時々もらって行く人がいる。しかし、最高裁が門前払いしたはずなのに判決とは奇妙なので見るとその書面に書かれている題目は「判決」ではなく「決定」だった。この違いを噛んで含めて教えてやろうとした者が、当方を含めて数人いるが、ダメだった。みんな親切心のつもりだったが、反発されるだけ。
 また、弁護士は頼りにならないから解任して自分で再審請求したと言うが、なんと「判例違反」だから再審請求したそうだ。それなら最高裁に上告するさいに持ち出すべきことだが、「俺はそんな判例があることを知らなかった。それで知ってから規定の期日内に再審請求した。だから再審開始されるべきだ。なのにされなかったから裁判所の不正だ」
 判例違反は憲法違反と同様、該当するかは弁護士でさえ特にその分野を専門に研究している法学者に相談したり意見書を書いてもらったりしている。素人がにわかに発見できるものではない。
 それだけの錯覚なら素人だからですむが、出すべきときに出さず、出すべきでないときに出し、今話題のDNA鑑定などの「後から発見された証拠により明らかとなった事実」というのを「自分が知らなかっただけで後から気づいた」という恐ろしく身勝手な解釈をしてしまっている。
 そのうえ、手続きして受理されたから直ちに再審開始されると思い込んでいる。受付られたのち、どうするか決定されるものなのだが、その意味が彼にはわからない。なにせ門前払いの「決定」を、そう書いてある書面を読みながら「判決」だと言って譲らないのだから。
 他にも「間違った判決は憲法違反に決まっている」「事実誤認は公正な裁判を受ける権利を保障した憲法に違反しているから絶対に上告理由だ」「俺が敗訴したから公正でない」など迷言のオンパレードで、すでに一部では有名だ。この老人は死んで地獄に堕ちたら「地獄の沙汰は不公正だ」「閻魔大王はデタラメだ」と血の池や針の山で叫ぶだろうと皮肉られている。
 そもそも、この老人は権力犯罪の被害に遭ったのではなく、借地を持ち主に無断で工事したため契約違反として契約解除されたことから裁判となって敗訴したというもの。それで、自分が敗訴したから裁判が不正だと言い、基礎的な手続きの段階で誤っていることに気づかないどころか指摘されても受け容れず、そんな自分を正当化するために冤罪事件など深刻な問題を引き合いに出して勝手な利用をしている。 
 ところが、それを知らない人が持ち上げてしまう。撮影した人も、看板をハッキリと写しているにもかかわらず、その内容のおかしさに気づいていない。
 たしかに司法は問題だらけ不正だらけだが、このような滅茶苦茶な批判では無力どころか迷惑である。無知と独り善がりによる程度の低い批判が、単に威勢がいいだけで目立ち、しかもそれを持ち上げてしまう人がいては、しょせん司法批判をしているのはその程度の連中であるという悪宣伝になってしまい、不正をする司法官僚らを喜ばせるだけだ。
 また、よく言われることだが、この老人は裁判所前で懸命な訴えをしている他の人たちにとって迷惑なのだ。彼は自分の主張に中身が無いので無用な騒動をわざわざ起こす。それで逮捕されたこともある。不当逮捕と騒ぐが、そもそも無用な騒動を起こしてのことだから、不当逮捕の主張に説得力が無い。しかも、そうやって騒動ばかり起こすので、裁判所の警備員たちが神経質になり、他の人たちまでとばっちりを受けてしまう。
 実に迷惑であるのだが、いくら注意してもやめてくれないから、こうしてその誤りを周知させるようにするしかないのだ。

人気ブログランキングへ 
   

[PR]
名前
URL
画像認証
削除用パスワード
by ruhiginoue | 2009-08-04 08:46 | 司法 | Comments(0)