ウルトラマンの顔は仏像がモデル
2009年 08月 14日
数千年前に作られた太陽神の人形を、展示会で親に連れられてきた8歳の子どもが見るなり「あ、ウルトラマンだ!」と声をあげたと人民日報海外版が伝えた。
この像のある紅山文化が最初に発見された内モンゴル自治区赤峰市・紅山後遺跡を、1930年代に日本人研究者が発掘したので、この時見つかった人形が日本にわたりウルトラマンの原型になったと、像を所蔵する中国の収集家・劉さんは推測している。
デザインした成田亨氏は、ウルトラマンの顔は仏像がモデルで、銀色の身体に赤い線が付いているのはロケットをイメージした。その後、成田氏が関わらずにシリーズが作られたため、意匠により著作権がデザイナーにあるかどうかで問題になった。
デザイナーと製作会社・円谷プロでも揉めたわけだが、一方、中国がすぐパクリをやると非難されるけれど、ウルトラマンこそ紅山文化のパクリであるかどうか。 それはともかく、中国ではアニメなども日本その他の外国製に圧倒されていて、ディズニーの「ムーラン」や昨年大ヒットした「カンフー・パンダ」など中国の伝統を用いたアニメ作品が海外で制作され、中国で稼いでいる状況がある。民族的要素に乏しいと批判されることも多い中国アニメだが、なぜ豊かな中国文化を利用しないのか。劉さんは太陽神・ウルトラマン事件はこうした問題を考える糸口になると話している。
中国が題材だけど日本で作られたものとしては、宮崎駿が映画館で見とれたという「百蛇伝」は、東映の作品だった。これはフルアニメかそれに近かったのではないか。動きがとてもスムーズだった。同原作で大人向けにした実写の「白婦人の妖恋」という映画もあった。こちらは東宝で、円谷英二初のカラー特撮作品だった。
しかし、実は中国のアニメは大変な技術力を持っていて、民族性もある。だけど宮崎駿が「水墨画を動かして何の意味があるのか」と批判していたように、アニメ化によって動く水墨画は緻密の極みで見事ではあったけれど、技術を見せつけるばかりで、子供にも大人にも喜んでもらおうという姿勢に欠けていた。
中国は裁縫の技術も世界一だが、それでヨーロッパの高級ブランド品のコピーを作って、日本をはじめとした愚かな観光客から金を巻き上げて、儲けると同時に自分らの技術に悦に入っている。 そうした考えを改めたら。中国は大発展するはずだが、それこそが、なかなか難しいのかもしれない。
by ruhiginoue
| 2009-08-14 12:58
| 国際