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by ruhiginoue

ヤクザに劣る吉本ばなな

 小説家の吉本ばななが、居酒屋で友人の送別会をしていたところ、持ち込んだ酒をあけて飲みはじめたことを店長に見咎められ、しかし酒は特別なお土産で、金も少し払うから見逃してほしいと頼んだが、店長は「一度ゆるしてしまうと、きりがない」と言って譲らなかったそうだ。
 これについて、店に持ち込みは非常識だが、店長も事情ありとして融通きかせてあげても良かったではないかという意見が多く出たのはもっともなことだが、吉本ばななはエッセイの中で、
 「もしも店長がもうちょっと頭がよかったら、私たちのちょっと異様な年齢層やルックスや話し方を見てすぐに、みながそれぞれの仕事のうえでかなりの人脈を持っているということがわかるはずだ」
 「彼はまた持ち込みが起こるすべてのリスクとひきかえに、その人たちがそれぞれに連れてくるかもしれなかった大勢のお客さんを全部失ったわけだ」
 と、自分を特別扱いしてくれなかった店長への嫌味ともとれることを書いたので、批判の声が挙っている。
 飲食店で働いた経験が多い者として言わせてもらうと、店に有名人が来て接客したことは何度もあるが、有名人だから特別扱いしたことはないし、有名人の客も、特別扱いを求めてきたことはない。貸し切りとか政財界人がよく使う料亭のような個室ではなく、他の客も来る場なのだから当たり前だ。
 また、どんな上得意であっても、シミッタレでも、同じ客である。接するときは平等であるべきなのは、客商売の鉄則である。差異をつけるとしたら、表情などによって感謝の気持ちを伝え、他の客には悟られないようにするものだ。
 だから、サインを求めるにしても、それが店に飾るためであろうと従業員個人の趣味だろうと、とても気を使う。
 そして、見るからにヤクザの客が集団でやって来たときも、多少の横柄にはカタギの客だってやることがあるのだから我慢しするとして、他の客と差別になることは毅然と断るべきで、時には相手が悪くて短気を起こし乱暴狼藉されて身の危険もあるから、仕事にさいしては心構えをしっかりし、身だしなみに気をつけ、救急病棟に担ぎ込まれて恥をさらさないように、下着も常に新しいものをつけ、そうすることで気遅れを防ぐのだと指導されたものだ。
 そして、そんな場面に直面したときも、いっさい譲らなければ,わかっているヤクザだったら、「商売とは確かにそういうものだ」と言って納得したように引き下がった。それが出来ないのはよほどのチンピラだが、それはたいてい一緒にいる親分か兄貴分が、「こんなところで威張ってもつまらないぞ」と、たしなめた。
 その域にも達してない、気の毒な吉本ばなな。

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by ruhiginoue | 2009-08-19 10:01 | 文学