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by ruhiginoue

「悪魔」カリー元中尉が謝罪

 実は止めに入った米兵がいた。ベトナム戦争中の1968年、米陸軍部隊が南ベトナムの村を襲撃し、女性や子供ら500人以上を殺害した「ソンミ村虐殺事件」は、友軍のヘリが目撃し、乗組員たちが制止したのだった。
 戦場で殺気立っているうえ互いに武装しているから、下手をすれば米兵同志で殺し合いになる、命がけの制止だった。勇気ある行動であり、このお陰で、アメリカが世界じゅうから非難されているとき、止めに入った米兵たちがいたことで、かろうじて米軍の名誉は守られた。
 というわけで、ヘリの乗組員たちは米軍から勲章を受けたのだが、なんとこれは事件より30年ほど経ってからだった。この叙勲をCBSドキュメントが取り上げたさい、日本版放送ではホスト役の在日英国人ピーター=バラカンが、あの当時は、事件の中心人物カリー中尉が悪魔のように思えたと言っていた。
 しかし、この悪魔のようなカリー中尉が裁判にかけられると、アメリカのキリスト教会が「子羊カリーを救え」と叫び、一般庶民からは「東洋人なんて殺して何が悪い」と開き直りの声が噴出した。
 そもそも事件は、軍が隠蔽しようとし、それでも内部告発などにより報道され、責任者の罪が問われた。そしてカリー中尉一人が有罪となり、他の関係者13人は無罪。そして終身刑となったカリー被告は、その後あのニクソン大統領により懲役十年に減刑されたうえ、たった3年半で仮釈放された。そしてアメリカの大手出版社から自伝の前払いとして大金を渡された。
 これでは、止めに入った英雄たちに勲章を与えるのに何十年もかかって当然だ。ところが、そのウィリアム・カリー元中尉(66)が41年の沈黙を破って当時の状況を語り、犠牲者と家族らに謝罪した。彼は「良心の呵責を感じなかった日は一日たりともない」と事件を振り返った。
 これは、日本に原爆を投下したエノラ・ゲイの乗組員が、今も自分の行為は正当だと言って、倫理的な問題に言及したオバマ大統領を非難した直後のことなので、皮肉な感じがする。ただ。ソンミ事件は一部の部隊が異常な行動に出たのだが、原爆は政府の正式な命令だった。この差が大きく,そしてこの差を見極めるのは困難なのだろう。カリー中佐も,「上官の命令に従っただけ」と軍事法廷では抗弁していた。

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Excite エキサイト : 国際ニュース
by ruhiginoue | 2009-08-23 12:04 | 国際