シゴけばいいと錯覚する素人
2009年 08月 24日
滋賀県の中学校で、柔道部顧問に投げられ急性硬膜下血腫で意識不明の重体だった同中1年の柔道部員が死亡したと、町教委が明らかにした。
同校によると、約3時間の練習後、「声が出ていない」などの理由で一人だけ顧問の講師と乱取りをさせられた際、投げられてあおむけに倒れ、動かなくなったという。
警察が練習方法に問題がなかったか捜査している。
このような事件は時々起って来た。これについて、大学で保健体育を専門に教えているベテラン教授が言っていたのだが、原因は教える側の錯覚にある。
スポーツの指導には、当然ながら適切な指導方法があるのだが、そのとおりにしないと、教えられる側が大人になるほど効果が無い。社会人と大学生はもちろん、高校生くらいになると、専門知識に基づき適切にやらなければ、無効果ないし逆効果が顕著になってくる。
ところが、少年スポーツでは、まっさらな状態であるため、シゴけば一応は効果が出る。それも幼年であるほど、シゴけばシゴくほど効果がでる。指導方法が適切でなければ、その弊害は当然あるのだが、効果のほうが目立つので弊害が隠れてしまう。だから小中学生で運動部の顧問になった人が、実は指導力や知識や経験が足りなかったり欠如していても、気づかない。ほんとうは大変お粗末な指導をしているのに、自分はスポーツ指導の才能があるのかと錯覚してしまう。
そんな中で、熱心のつもりで闇雲に無茶で強引な指導をして、教え子の才能を潰してしまったり、最悪なのは本件のように事故を起こして教え子を殺傷してしまう。きちんとした指導法を身につけている顧問なら、本件のような事件を起こすはずがない。
本件は柔道だが、武道の場合、声を出すのは気合いを入れたり対戦相手を威圧するなどの精神論だけでなく、それによって腹筋などを緊張させて衝撃に備えるためだ。わざと投げ飛ばされるのは、そのさいに頭を打ったりしないようにする訓練だ。それなのに、声が出てないからと投げ飛ばし、頭をぶつけて死亡させるとは、まるで指導方法をわかっていない。
体育の大学教授が指摘したことは、他の専門家からも、もう二十年くらい前から盛んに言われて来た。梶原一騎のスポーツマンガに洗脳された世代ならともかく、今どきこんな時代遅れな不祥事を起こしてしまう者がいて、それも二十歳代の講師とは、情けない話である。
Excite エキサイト : 社会ニュース
同校によると、約3時間の練習後、「声が出ていない」などの理由で一人だけ顧問の講師と乱取りをさせられた際、投げられてあおむけに倒れ、動かなくなったという。
警察が練習方法に問題がなかったか捜査している。
このような事件は時々起って来た。これについて、大学で保健体育を専門に教えているベテラン教授が言っていたのだが、原因は教える側の錯覚にある。
スポーツの指導には、当然ながら適切な指導方法があるのだが、そのとおりにしないと、教えられる側が大人になるほど効果が無い。社会人と大学生はもちろん、高校生くらいになると、専門知識に基づき適切にやらなければ、無効果ないし逆効果が顕著になってくる。
ところが、少年スポーツでは、まっさらな状態であるため、シゴけば一応は効果が出る。それも幼年であるほど、シゴけばシゴくほど効果がでる。指導方法が適切でなければ、その弊害は当然あるのだが、効果のほうが目立つので弊害が隠れてしまう。だから小中学生で運動部の顧問になった人が、実は指導力や知識や経験が足りなかったり欠如していても、気づかない。ほんとうは大変お粗末な指導をしているのに、自分はスポーツ指導の才能があるのかと錯覚してしまう。
そんな中で、熱心のつもりで闇雲に無茶で強引な指導をして、教え子の才能を潰してしまったり、最悪なのは本件のように事故を起こして教え子を殺傷してしまう。きちんとした指導法を身につけている顧問なら、本件のような事件を起こすはずがない。
本件は柔道だが、武道の場合、声を出すのは気合いを入れたり対戦相手を威圧するなどの精神論だけでなく、それによって腹筋などを緊張させて衝撃に備えるためだ。わざと投げ飛ばされるのは、そのさいに頭を打ったりしないようにする訓練だ。それなのに、声が出てないからと投げ飛ばし、頭をぶつけて死亡させるとは、まるで指導方法をわかっていない。
体育の大学教授が指摘したことは、他の専門家からも、もう二十年くらい前から盛んに言われて来た。梶原一騎のスポーツマンガに洗脳された世代ならともかく、今どきこんな時代遅れな不祥事を起こしてしまう者がいて、それも二十歳代の講師とは、情けない話である。
Excite エキサイト : 社会ニュース
by ruhiginoue
| 2009-08-24 12:45
| 体操