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by ruhiginoue

どちらの専門家が正しいか裁判官が決める

 受験勉強で悪戦苦闘する予備校生が、そのことで妹に侮辱され激怒して妹を殺害した事件の直後、女優志望だった可愛らしい妹の顔写真とともに、死体は唾液まみれで、兄は殺害した妹の服を脱がして全身を舐め回したとか、死体の頭部を抱いて寝たとか、週刊誌などがいろいろ書き立てたが、それらのほとんどは作り話だったことが、裁判になって解った。
 しかし、週刊誌も週刊誌だが、裁判官も裁判官だ。
 被告は一審では殺害のみ責任能力が認められたが、二審では殺害後の死体損壊まで責任能力を認め刑を五年も加算した。ここで問題なのは、精神状態について専門家たちが意見を述べたことに対し、素人の裁判官が判断することだ。
 もちろん判断するのは原告と被告の主張についてであり、その根拠として専門家の意見や鑑定があるのだから、どんな分野でも論理的に比較すれば素人にも判断は可能である。その訓練をしているのが法律家である。
 ただ、実際に裁判官がどうするかというと、医師だったら専門が同じでも勤務先の大学など権威によって判断する傾向があるし、刑事事件では露骨に検察側に偏向する。これには医師も呆れている。同じように鑑定しても検察側だと採用され勝訴につながり、弁護側だと採用されず敗訴につながる。
 だから医師などは、よく、理系と違って文系はいいかげんだと言う。しかし、この種のいいかげんは理系にもかなりある。だから司法で問題なのは、専門外の分野に対して当否あるいは優劣を判断する力を養う訓練が、日本の法曹養成システムにほとんど存在しないことだろう。
 そこで改革案として、裁判官だけは日弁連の適性試験を3年に一度は受験することを提案したい。そして採点は匿名で、結果はもちろん公表し、点が悪いと解任される。今の最高裁判事の国民審査よりは有益だろう。
 これというのも、今回の妹殺害事件で二審が死体損壊について責任能力から逆転有罪としたのは、ただ頭から検察側の証拠に転向しただけで、論に叶った結論ではなく、またかという判決だからだ。こうなるのも、裁判官が官僚主義に毒されていることとともに、論理構成能力が欠如しているからだ。
 
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by ruhiginoue | 2009-09-16 20:57 | 司法