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by ruhiginoue

「アニメの殿堂」中止へ

 マンガ好き前総理時代「アニメの殿堂」を、新政権の川端文科相は記者会見で中止する方針を表明した。もともと血税117億円もの予算投入には批判があった。
 これに対して、展示場ではなく人材育成になるとして擁護していたのが漫画家の里中満智子だが、彼女はかつて、自分が漫画家を目指していた頃は、漫画が社会的に認知されていなかったので親に言えなかったが、その情勢もすっかり変わり親が励ましたりするようになり、その結果、反骨精神が失われて良い漫画家になれなくなると言っていたけれど、その考えは変わったということだろうか。
 もちろん、みんなが自宅でアニメを自主制作してyoutubeに投稿してみんなで見るようになれるなどの技術的な進歩もあり、これはこの先どんどん進化するだろうから、ますます国家的な施設など不要ではないかとも思われる。
 また、「劇画村塾」とか「代々木アニメーション学院」が無かったのはもちろん、HOW TO本や里中先生の講釈が解りやすかったNHK教育テレビの講座も無く、道具一式セットが売り出されてもいなかった時代にこそ、日本の漫画やアニメは世界から注目される作品群を生み出しているのだから、それでも国家的養成が必要だろうか。まして経済事情が苦しいときに血税を投入してまで。
 しかし、それ以上に、そもそも漫画もアニメもカウンターカルチャーであり、だから反骨精神あってこそ優れた創作家たりうるというのが里中説ではなかったのか。実際、宮崎駿が絶賛する『雪の女王』など旧ソ連の優れたアニメは、国家的な育成ではなく、それに力を入れていたスターリン時代の終焉直後のすき間に咲いた季節外れの雪割草のような存在であったはずだ。
 それとも、中国が技術を見せつけて作った「動く水墨画」のような公式芸術作品ばかりにしたいのか。あんなアニメを作って何の意味があるのかと宮崎駿も言っていたが。
 つまり、漫画アニメを公的に育成するのは、カウンターカルチャーを国策にするということで、それ自体が矛盾である。だから、そのうえ費用と経済情勢のこともあり、「殿堂」中止は当然だ。
 
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Commented by Piichan at 2009-09-17 12:57 x
絵コンテや漫画原稿といったものはなくなりやすいので公的な機関が蒐集する意義はあるとおもうのですが、どの作品を蒐集するのかという問題がでてくるような気がします。日本はアニメや漫画の評論がさかんではないことが蒐集すべき作品の基準をもうける上でネックです。

アニメや漫画は文化として過大評価されているような気がします。
Commented by ruhiginoue at 2009-09-17 14:13
 ご指摘の通り、評価が困難ですし、公的にやれば『YASUKUNI』のような騒動も必ず起きるはずです。
 また、安上がりなエンターテーメントとしてもてはやされただけなのに、海外で認められたとうぬぼれている面もあるかと思います。
Commented by ケーキイーター at 2009-09-18 20:11 x
そもそも日本のアニメって、一般映像業界等から「や~い、電動紙芝居」って虐げられていたから、ここまで成長できたんだろうと自分では思っているのよね。
Commented by ruhiginoue at 2009-09-19 01:07
 だから『マコちゃん』がやけに社会派だったりもするわけです。
 政治的な理由で「電動紙芝居」に放逐された人たちが、このまま負けてなるものかと頑張ったりもしました。
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by ruhiginoue | 2009-09-17 10:38 | 映画 | Comments(4)