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by ruhiginoue

万引き雑感

 東京都内の万引き被害が年670億円で、振り込め詐欺の11倍だそうだ。
 振り込め詐欺は一応金のある老人が被害に遭うが、万引きは困窮してる老人が加害者となり、店に申し訳ないからと半額シールの食材を盗んだりと、悲しいというかやりきれない事件も少なくないらしい。
 ところで万引きについて、かつて自分が仕事で出会った人たちは、被害者と、その人たち相手に商売としている人たちだった。
 被害者は、もちろん小売店。どこも被害には泣かされている。防止がしにくく、被害が少額でも扱う金額が一商品あたり小さいことから相対的に大きい損害となってしまうから深刻だ。
 書店は典型だが、著者から出版社に、さらに取次店と呼ばれる問屋と書店の取り分が加わり、それで各々の取り分が少なくなっているのが、そもそも問題だ。それで、なるべく直販にとの意識の動きがあり、さらにインターネットの登場が決定的となった。音楽も、ダウンロードへと移行していることが、同様と言えるだろう。
 これらのソフトウエア的商品は、欲しいけれどお金が無い人が盗むだけでなく、中古点に売るのが目的である場合も多い。その点で、店を経営している人によると、かつてレコード店で最も被害に遭ったのは、先日亡くなったマイケル=ジャクソンのものだそうだ。大ヒットだから売れるというわけだ。
 しかし、自分で欲しくて盗むとなると、音楽関係は分野にハッキリと表れるそうで、ジャズとクラシックは万引きが実に少なく、ほとんど無いに近い。これは聴く人の傾向が真面目とか大人だからであると見られている。対照的に、日本の歌手で最も万引きされてきたのは矢沢永吉だそうだ。
 
 そういえば『時計じかけのオレンジ』の主人公でさえ、レコードはちゃんと予約して買っていた。店に居合わせた女の子をナンパはしていたけれど。



 『時計じかけのオレンジ』(吹き替え版)シンセサイザーが唱うベートーヴェン「第九」とウイリアムテル序曲。


 
 しかし、万引きのおかげで、私服警備員の会社も、出入り口にあるセンサーの会社も、商売が成り立つ。前に営業で店を回る仕事をしたことがあるが、そのさい万引き防止センサー用のチップ(これが最も利益になる。機械自体は一度売ればお終いで、あとはメンテナンスで面倒なだけらしい)を売っている会社の人と偶然会い、名刺を渡され、「設置されてない店があったら教えて。売れたらお礼するからさ」と言われたことがある。
 万引きの被害は深刻だが、おかげて監視産業が繁盛するというわけだ。警察や軍事と、同じ構造である。

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by ruhiginoue | 2009-10-24 18:20 | 社会