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by ruhiginoue

「国民的番組」の「紅白歌合戦」

 今年の紅白歌合戦の出場者について批判している人がいるけれど、今さら自民党を批判しても、もう政権与党じゃないというのと同じである。
 この番組は、NHKの自称「国民的番組」と長年にわたり皮肉られてはきた。しかし、テレビを見る人が多くなる年末の時間帯に最も視聴率が高く、そこに出場する歌手はその年に最も華々しく活躍した歌手であることから、それなりの影響があり、出場することは歌手にとってステイタスシンボルのようになっていた。そのこと自体には頷ける。
 だから、あえて出場しないことも、歌手にとって逆に誇りともなろう。
 あれほど大スターだった美空ひばりが、芸能界ではよくあることとはいえ特に暴力団との関係が深かったことから出場が問題となり、それにたいして当人は、自ら予め辞退の意思を表明し、混乱を防いだうえで、それでも実力でやっていけることを示そうとした。
 また、アイドルとして大人気だったピンクレディーという女性コンビが、障害児のチャリティーをしたいので紅白には出場しないと言いだし、これを新聞が美談として記事にしたうえ系列テレビ局が中継して紅白の裏番組としたことから、偽善的だとも言われたが、そのあたりから、思うことあって紅白出場辞退をすると言い出す歌手が相次いだ。
 こうなるのも、「紅白」に影響力があったからで、それが次第に、あえて辞退ではなく、他の番組と同じように、ただ出演依頼があったけれど断ったというだけのものになってきた。
 これは、自民党と同じだ。今までは自民党を批判すれば他の政党を批判するのとは意味合いが違ったけれど、もう特に意味がなくなってしまい、むしろ、勢力はかつてほどではないが他よりは大きいので、それでいて、長年にわたり政権与党だったのに野党になってしまった、ということで、無様な感じがしてしまう。
 「紅白」も、凋落しているとはいえ、他よりは視聴率が高く一応は話題になっている。ただ、凋落の原因は、時代の変化により番組の趣旨自体が無意味化しているのであるから、歌手の人選など無関係である。今さらヒット曲が云々という時代ではないのだから、それに基づき人選を批判してもしょうがない。後ろ盾の有無が影響することは、他にも例えばウイーンフィルのニューイヤーコンサートの指揮者になれるかだって同じことだ。
 ここで話題を作りたければ、かつてのようにハプニングがあることだ。最近は、NHKのアナウンサーが面白いボケをしなくなったと言われているが、かつては例えばベテラン生方アナが次の歌い手を紹介するとき「都はるみ」と言おうとして「美空・・・」と言ってしまい慌てて言い直し、一瞬異様な雰囲気となったり、同歌手が歌い終わったあとさらに盛り上げようとしゃしゃり出てアンコール無理強いした鈴木健二アナがひんしゅくを買い、彼のベストセラー著書『気くばりのすすめ』から「でしゃばりのすすめ」と皮肉られたり、あるいは歌手が他の歌手を紹介するときも、例えば加山雄三が、今ではメンバーの結婚で話題のアイドルグループ「少年隊」の大ヒット曲『仮面舞踏会』と本人は言ったつもりで大まじめに『仮面ライダー!』と言って間違いに全然気づいていなかったりと、いろいろあったものだ。
 というわけで、「紅白」が生き残ることはただ1つ。大舞台として大層に演出しながら、出場者たちが緊張のあまり、あるいはもともといいかげんであるため、ハプニングが連発されることだ。

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Commented by ケーキイーター at 2009-11-28 23:31 x
紅白歌合戦よりは毎週日曜日にやっている「のど自慢」の方がまだ面白いと思えるんですが。
Commented by ruhiginoue at 2009-11-29 01:22
 テレビ自体まったくに近いくらい見なくなったから最近は見てないけど、のど自慢は確かに面白くて、かつてはよく見てました。
 その「仮面ライダー」は探したらありました。テレビ見なくなった原因の1つに、面白ければ誰かがここに載せてくれるだろうと思うようになったこともあります。
Commented by mujin at 2009-11-29 03:16 x
司会というのはmaster of ceremoniesの訳語だろうと思いますが、鈴木健二さんのころまではともかく、自らの采配で番組を仕切ったりすることがなく、ただ台本に決められた通りの時間に決められた通りの台詞をしゃべるだけで、何をどうmasterしてるんだと疑問しか浮かばないような具合で、生ものを扱っている緊張感がまったく伝わってこないんですよね。紅白それぞれに1~2人の色もの枠がある以外には、選ばれる歌もいわゆる懐メロ、歌手も「あの人は今」的な人ばかりで、いまこの時代を作り、象徴している歌、歌手が選ばれることがない。もちろん最早「国民」を総動員する必要がなくなったという時代背景も大きいと思いますが、それ以上に、一介の普通の歌番組として見てもちっとも面白くないわけです。のど自慢のほうがよほど面白いというのも、司会も出演者も真剣勝負でやってるのが伝わってくるからでしょう。
Commented by ruhiginoue at 2009-11-30 02:51
 『のど自慢』は、一生懸命な素人を上手に仕切ることで場の雰囲気を作ることができるけれど、ところがプロの歌手になるとそれぞれ矜持があって、よほどの司会者でないと無理でしょう。
 かつて芥川也寸志に山本直純や黛敏郎に羽田健太郎などの作曲家が音楽番組の司会をしていると、知識も偏見もあってそれが面白かったけれど、しゃべくりがより上手なアナウンサーや俳優が引き継いだらつまらなくなったということがよくあったので、それと同じようなことではないかと思います。
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by ruhiginoue | 2009-11-28 22:42 | 芸能 | Comments(4)