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by ruhiginoue

中国でサラダバー中止

 中国で「ピザハット」を運営するヤム・ブランズ中国事業部は、サラダバー取りやめを表明した。商品の切り替えによるものと説明し、コスト面の問題については言及を避けているが、しかしこれは中国における同店の代名詞的なサービスだったけれど、野菜や果物などを1回限り好きなだけ皿に盛ることができるため、一部の利用者が皿にうずたかく盛るのを競い合っており、こうした一部の欲張り利用者がコストを圧迫しているためだろうと一般的にはとらえられている。
 日本のファミレスにも似たようなことはあるが、中国の場合、かつて人民公社で同様の事態となり食堂が閉鎖に追い込まれているから、経営の形態がどうであれ、問題は人民の欲張りにあると言えるだろう。
 毛沢東の発案で、人民公社に付属する食堂を作り、そこの収穫物を利用して、公務員が運営する形態をとることで、人民公社で働く人たちは、その労働の対価として、無料でいくらでも食事が出来るようにした。「従業員まかない」の国家的豪華版である。それらのバランスは計算されていたのだが、実際にやってみると、充分食べているのに、それ以上に欲張り、中には無理をしてまで、とにかく食べまくる者が少なくなかったのだった。それで破綻してしまった。
 金を払って飲食しても、やはり太り過ぎたり胃腸を壊したりする人がいるけれど、それは間近に迫った忘年会のように、ストレスがらみでハメを外すときのことであって、日常で無茶をするのは可笑しいはずだ。
 ところが、タダというだけで、たくさん食べないと損だと錯覚してしまう。やはり長きにわたる欠乏の恐怖が、そうさせるのだろう。それをなかなか克服できないので、共産主義が説く「力に応じて働き、働きに応じて受け取り、いずれは必要に応じてだけ受け取る」も実現できない。
 これが実現しているのは、今のところ『スタートレック』の世界だけだ。生産力史観の極みで、物質転送装置があるくらいだから、どんなものでも一瞬にして合成できてしまう(ピカード艦長の頭髪は除く)。
 そして「エンタープライズの建造費などない。欠乏や物欲から解放されて、人間は自分の生活のためではなく社会の進歩のために働く」というセリフが飛び出す。ライカー副長役で監督も務めるジョナサン=フレイクスは『スタートレック』の描く世界について、「人類の理想」「さほど資本主義的でない未来」と表現している。
 そのためか、日本共産党の志井委員長は、あるテレビのインタビューで好きな映画は何かという話で真っ先に『スタートレック』と言っていた。「アメリカニズムっぽいところは気に入らないけど」と言い添え、続けて日本の映画では『男はつらいよ』が好きだとも言っていたけれど。
 中国のピザハットの話から共産主義さらに『スタートレック』の話になってしまったけれど、かく言う自分も、「食べ放題」とか「おかわり自由」や「大盛り同料金」の誘惑に、たまに勝てるようになったのはここ数年のことだ。

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Excite エキサイト : 中国ニュース
by ruhiginoue | 2009-11-29 02:33 | 国際