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by ruhiginoue

消費税の社会保障目的化

 税制大綱の民主案は、消費税の社会保障目的化を謳っている。これをしなければ、政権交代の意味がないだろう。
 そもそもは、七十年代に「一般消費税」が検討されたが、行財政改革(行革)を行い「増税なき財政再建」に方針が転換された。これも福祉などが切り捨てられると危惧されていたが、無駄遣いの是正は必要ではあったから、いちおうは善しとされた。
 ところが、無駄遣い問題が解決されていないのに、二十年前に、消費税が導入された。これでは無駄遣いの財源になってしまうと猛反対があったけれど、これから高齢化社会になるから福祉費用の財源を確保しなければならず、だから多少の問題があっても待ったなしなのだと政府は言っていた。
 それで、一度は導入された消費税の問題を是正するために、そのあと成立した細川首相の非自民連立政権が、消費税を廃止して、その代わりに制度そっくり利用して「国民福祉税」を創設して目的税化しようとしたが、そのためのいろいろな課題を乗り越えられず、成功しなかった。
 そして、なりふり構わずあちこちと連立することで復活した自民党政権は、消費税率上げの最悪のタイミングで景気を悪化させてしまううえ、それまで福祉目的だったはずの消費税収入とほとんど同じ金額の大企業減税をした。
 おかげで雇用が確保されるどころか、表現はともかく亀井さんが批判した状態である。家族間殺人増大は日本的経営を放棄した財界の責任だと言う表現はいかがか、などの問題はあるが、高齢化社会に備えるために消費税を導入したうえ介護保険まで徴収するようにしていながら、介護に疲れて配偶者を殺したという事件があったり、同様の別件で裁判が被告に同情の判決を言い渡したりしている現実である。
 ところが自民党は、経済政策ではなくイデオロギー論争趣味の発揮ばかりしてきた。そういうことが、実は亀井静香氏も小沢一郎氏も、最初は好きだった。今でもほんとうは好きだろう。ところが、経済情勢の変化により優先順位が入れ替わった時期から、方針を転換している。彼らは生粋の保守政治家だから現実主義者でもあったわけだ。
 ところが、亀井とか小沢など自民党の最右翼だった人たちが、誰の空腹も満たさないイデオロギーばかりに夢中の党から去り、ほんとうに優先すべきことをやり始めようとしている時に、安倍総理とか先日死んだ中川財務相といった大臣の御曹司たちは、「パンがなければケーキを食べたら」と言うマリー=アントワネットの自覚なき暴言と同じ感覚で、こうすれば日本は良くなると、おそらくは本気で思い込んで、NHKの戦争報道に文句をつけるなどしていたのだった。
 だから、保守化しているはずなのに政権交代となったわけだ。ブレヒトの『三文オペラ』の「どんな題目を唱えようと、おまんま食えなきゃ聞く耳持たない。人の道を説く前にまず飯だ」という左翼の自戒が、そっくりあてはまって自民党は政権から転落したのだった。
 そういうわけで、民主党中心政権がまずしなければならないのは、消費税の是正であり、その中心は目的税化である。だから細かいことは別にして、本案は当然のことである。


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by ruhiginoue | 2009-12-08 10:39 | 政治 | Comments(0)