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by ruhiginoue

シュワ知事も元々アメリカ人じゃない

 アメリカ・カリフォルニア州のアーノルド=シュワルツェネガー知事は、オーストリアで生まれ大人になってからアメリカに移住し国籍取得しており、ボディ・ビル大会で優勝して活劇映画の俳優になった。つまり彼は元々アメリカ人ではなく、前の職業は芸能人だった。
 そこで、もしもシュワルツェネガー知事の政策や、それについての考えを批判するさい、その経歴とからめていたら、どうだろうか。なにか具体的な関係があるなら良いが、絡む部分がなければ、差別として指弾されるだろう。
 これというのも、平沼赳夫氏が、蓮舫議員の“仕分け”について批判したさい、彼女のことを「元々日本人じゃない」と言った。「キャンペーンガール」という元芸能人であるとも言い、そんな人が議員になるのは問題と言いたいようだ。言った当人は国籍取得した人について言ったのだから人種差別ではないと言い添えたが、それで通用するだろうか。
 もと芸能人であることは、そもそも職歴と参政は無関係であるから、問題にするほうが可笑しい。アメリカの逸話だが、移民の審査のさい、もしも機会があって政治家に、ということになったらどうするかとの問いに、ある移民が、自分風情が政治家なんてと応えたら、アメリカ人として失格だと言われた。身分や職業が何であっても、市民である以上は政治に参加する意思や覚悟が要る。そうでない人は民主主義が理解できない、ということだ。
 つまり蓮舫議員のようにかつて「キャンペーンガール」だった人でも、政治に参加し、投票だけでなく代表者を務めることがあるのが民主主義であり、平沼氏は民主主義が理解できていない人として、アメリカでは市民失格と言われるだろう。
 また、アメリカの法律では、大統領だけはアメリカで生まれた人でないとなれない。だから、元芸能人の故ロナルド=レーガンは知事からさらに大統領へと進んだが、彼はアメリカで生まれている。だがシュワルツェネガーは大統領にはなれない。しかし知事なら良いので、一般人の差別主義者はともかく、他の政治家から文句は言われない。
 このように、規定があればそれに従い、従っているなら、そのことに文句を言うべきではない。蓮舫議員は片親が外国人だったため法制度上の手続き問題で後から帰化する形式となったそうだが、まったくの外国人が正式に帰化して国籍取得したとしても参政権は得られるのだから、何も問題ではない。法律を改正しろというならともかく、議員になって良い人がなっていることにケチをつけるのは間違いだ。
 そして、考えが気に入らないなら、その考えを批判するべきであり、生い立ちとからめるべきではない。それが原則だ。レーガン大統領だって、昔売れない西部劇役者とからかわれることはあったが、政策の批判はそれとは別に具体的にされてきた。平沼氏は蓮舫議員の生い立ちと質問の一部「世界一になる理由があるのか。2位では駄目なのか」について、なにか関連があると言いたいようだが、発言については独自解釈の域を出ておらず、漠然とした印象批判であり、しかも生い立ちについての部分は、適法に得た地位を不当だと言いがかりをつけており、こじつけもいいところである。
 そんな平沼氏の発言は、蓮舫議員が好きじゃない者からしても不愉快であり、そんな人が議員やっている日本は、やはり遅れているのだなあと情けなく感じる。

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by ruhiginoue | 2010-01-18 11:31 | 政治