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by ruhiginoue

サリンジャー死去

 『ライ麦畑でつかまえて』で知られる小説家サリンジャーが91歳で死去したそうだ。彼は公の場に姿を見せないため、その理由について様々な憶測がされた。
 その1つが『フィールド・オブ・ドリームス』という映画で名優ジェームズ=アール=ジョーンズが扮した隠遁作家であった。また、伝説的な一作を書いた後に高い塀に囲まれた家で隠居していることは、フィリップ=K=ディックの最高傑作『高い城の男』の描写がよく似ている。
 『ライ麦畑』は若者のバイブルのように言われたが、一方で主人公は訳のわからない思考と言動をしているという人も少なくなかった。
 恵まれた家庭で育ち、何も不自由せず、親も良くて、これで何が不満なのか。もちろん、そこの部分がなぜなのかという点が、この小説の意義である。
 読んだとき、これは自分とは別世界に住む人の話で、甘えた子供の戯れ言としか感じなかったというのが、正直な感想であった。しかし自分がもしも生まれたときからこの環境にいたら、やはり主人公の心情になるだろうとも思った。
 そして、誰であっても、もっと素朴な悦びを人は求めるもので、それがたまたま主人公の場合はライ麦畑でつかまえることだったということで、それは小説が取り上げた1つのケースであるのだから、そこに文句を言うべきではないだろう。
 そもそも、自分と同じだと共感するだけでなく、自分と境遇などが異なるから共感できないことを理解するために、小説があるのだから。

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f0133526_1334148.jpg今では同じ本でもピカソの絵の部分が無くなっている。
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by ruhiginoue | 2010-01-29 13:36 | 文学 | Comments(0)