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by ruhiginoue

芸能人の夫婦

 アカデミー賞を獲得した女優はその後離婚する傾向があり、これは男優が獲得してから離婚とは比較にならないほど多いという統計から「アカデミー賞の呪い」と言われているそうだ。
 もともと、成功と収入の不均衡は離婚の原因ともなるが、芸能人だと女性のほうが男性より売れていると破局しがちである。結婚した当時は釣り合っていても、そのうち片方だけが成功か没落をして、もう片方が取り残されると、ギクシャクし始めるわけだ。これは両方が売れていてすれ違いとなるより悲劇である。
 この最大の存在は、ロナルド=レーガン・アメリカ合衆国大統領だろう。彼は政治家になる前は売れない西部劇役者で、当時結婚して子供もいた相手は女優ジェーン=ワイマンであった。ワイマンは『子鹿物語』でグレゴリー=ペックの妻役などで順調にキャリアを積み、アカデミー賞まで受けたが、一方レーガンは成功に見放されていた。そして離婚に至る。
 失意のレーガンはテレビの司会者の仕事をしたところ、大根役者だが喋繰りは上手で、年間契約をもちかけられた。収入など大変良い条件だが、映画の仕事が来ても受けられなくなってしまう。このとき彼はあの『カサブランカ』でハンフリー=ボガードが扮した主人公の候補の一人でもあった。選ばれるかどうか、また主演したとしてもヒットするかは、わからないが。
 結局、レーガンは確実性の高いほうを選び、テレビ司会者に転向した。そこから次は選挙の演説会で司会を依頼され、後の大統領ニクソンの応援演説などを務めた。そのうち、ニクソンの属する共和党から、自ら立候補しないかと誘われ、引き受けて、知事さらに大統領へと登りつめる。
 しかし彼はもともと民主党支持者で、どちらかというとリベラル派であった。なのに確実な方を選択しては迎合し続けた結果、社会の弱者を助ける立派な人になりたいと言ってきたのが急変し、金持ち優遇政策を官僚の言いなりになって推進したあげく、弱者は自業自得だと言い放ちまでした。
 そして家庭では、再婚した相手のナンシー夫人は、前の妻とは大違いで美人にはほど遠いいが、富裕な家庭の出身のお嬢様であった。良き夫、良き父親としてふるまい、伝統的価値観の尊重を説いて保守層や宗教団体から支持を受けた。
 このように社会的な成功者となり、没後も空母ロナルド=レーガンなど名を残したのだが、その一方で、西部劇最大のスター・ジョン=ウエインが死去したら、当時のジミー=カーター大統領は西部劇ファンなので追悼の声明を発したが、知事だったレーガンは「ああ、彼と共演したかったな」としみじみと言い、俳優への未練を見せた。
 さらに、彼とナンシー夫人との間の息子が衝撃的な発言をした。「父は母を愛していませんでした。父が最後まで愛し続けたのはジェーン=ワイマンでした」
 ほんとうは、ジョン=フォード監督の映画に出て、ジョン=ウエインと共演し、アカデミー受賞式でトロフィーのオスカー像を手にしながら「妻に感謝します」などとスピーチしたかったのだろう。そしてリベラルなスターとしてチャリティーなどで熱心に活動し、その方面で表彰されたりしたかったはずだ。
 
マルコ福音書3章「全世界を手に入れたとしても、自分を失ってしまったら、何の意味があろうか」

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Commented by L at 2010-12-31 20:37 x
レーガンのお話、とてもおもしろいですね。赤狩りに協力して、次々と『仲間』を売った黄色い犬と言うイメージなので、民主党支持のリベラル派の時代があったとは、びっくりしました。
 調子の良い方にくっついて行って、そもそもの自分が何処かに行ってしまうというのは、やはり、菅一派らへの批判ですか。集会で、湯浅さんが、”菅総理はどんな人?”と聞かれ、「まだ、参与になってからちゃんと会っていないので。でも、市民運動の人たちからの評判は物凄く悪い」と仰っていました。この間の言動を見てまったくそのとおりなんだなとよくわかりました。
Commented by まいのりてぃ at 2011-01-01 05:17 x
久しぶりの通りすがりです。ロナルド=レーガンって結局ずっと人生でも役者だったということ?ですね。ロナルド=レーガンと言えば私の大好きな映画「バックツーザフューチャー」を思い出します。過去に行くと未来を夢見るひとりの黒人が「俳優が大統領?なら黒人も大統領になれる」と言ってたような・・・いや;記憶がトホホですが、黒人大統領ホントに現実となりました。
Commented by ruhiginoue at 2011-01-01 13:38
 いつまでも夢を追うか、現実と妥協するか、どちらが幸せかという問題ですね。
 映画「バック・・」では市長になっているのをマーティに教えられて奮起する場面があったような気がします。
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by ruhiginoue | 2010-12-31 06:42 | 芸能 | Comments(3)