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by ruhiginoue

試されるリビア

 リビアで暴動が発生し、激化して内戦の危機も噂されている。
 これはすぐ近くのエジプトから飛び火が引火したと考えられるが、そこにもともとあった可燃物は、カダフィ大佐の息子ではないだろうか。
 リビアでは、熱血青年将校だったカダフィ大佐が軍事クーデーターを無血で成功させ、27歳にして最高権力者となり、その後は勇ましい演説と過激なパフォーマンスによりカリスマ的な指導者として独裁体制を敷いてきたが、現在では院政のようにして息子が跡を継いでいる。
 この息子の実権となってからは、父親の代とは違い国際協調路線となっている。父親は血の気が多く、しょっちゅう欧米や周辺諸国と武力衝突を起こしていたが、息子は最高権力者の御曹司であり繊細な芸術家肌で、画家の肩書きを持ち、軍事より経済と文化という路線をとっていた。
 そして、敵国との間で経済の交流を密接にすることにより、リビアを攻撃したらまず敵国が損するという状態を作り出した。お陰でリビアは、父の盟友だったイラクおよびフセイン大統領のようなことにはならなずに済んでいた。
 また、文化芸術の国際交流を推進し、国際芸術展覧会に自らの作品を出品しながら各国を周り、穏健なリビアをアピールしていた。これは強面の父親が国連で拳を振り上げ大演説ぶちかましている姿とは対照的であった。
 こうした息子の路線は、国際社会からは歓迎されていた。おそらく金正日が羨ましがっていただろう。北朝鮮も、やはり父親は軍人で息子は芸術家肌であり、代替わりしてから路線変更を推進するつもりだったはずだが、あまりうまくいってない。
 ところが、強面の父親が死んでおとなしい息子に代わったら、タガが外れたようになって国が崩壊すると言われていた北朝鮮は生き延びて、今では三代目に世襲をどうしようかと言っているのに、リビアでは暴動が起きている。リビアは北朝鮮と違ってうまくいっているのに。
 それは、隣国の影響もあったとはいえ、息子なら親父と違って怖くないと考えて、混乱によって失うものを心配するより、気に入らない者を打倒したいといほうを優先させる人が多かったということなのだろうか。だとしたら文化の違いなのだろう。
 ここで気になるのは、カダフィ大佐がイランと中国について89年に言っていたことだ。彼は日本のTBSテレビのインタビューで、イランのホメイニ師が死去したことについて「毛沢東死後の中国のようにならないかと心配して、助言している」と、カリスマの死後は混乱が付き物だと言っており、同時に中国の天安門事件については「改革開放路線で西欧の物質文明社会を受け容れたため、必然的に起きた」と言い、「物質文明は、社会全体にその物質が行き渡るまでに大変な時間がかかるが、その価値観は急速に行き渡り浸透する。それにより人々に不平等感が生じて、社会的混乱の原因になる」と指摘していたことだ。
 なるほどと思わせるカダフィ大佐の見識だが、今その彼が自ら指摘したことについて試されているということだろうか。

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by ruhiginoue | 2011-02-21 22:09 | 国際 | Comments(0)