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by ruhiginoue

甘い幻想でアメリカを利する日本の左派

 日本のいろいろな左派の誌紙に、中東・北アフリカの情勢について「民衆が独裁体制を打倒しようと蜂起し、その連帯にインターネットが貢献している」という、甘っちょろい幻想を抱いての戯れ言が散見され、日本の左派は政治経済音痴の頓珍漢が多いと呆れていたところ、とうとう米英仏による軍事介入が始まった。
 今も莫大な石油利権をもち、歴史上は欧州による支配を受けていた。そのような地域に、欧米諸国が無邪気な民主化を歓迎するはずがないくらいのことは、考えるまでもなく判ることだ。
 また、過去に支配していた土地と民族に対して、おとなしければ見下し、逆らえば憎むのは普通の感情で、これは何百年経過してもなかなか消えないのだから、たかが数十年では変わるわけがない。
 だから、とくに中国など、日本への警戒を怠らない。今は友好関係なのにまだ昔のことにこだわると文句を言う日本人は、たんに中国が国民の不満を外国に向けようとしているとしか考えない。そうではなく、日本人は考えが甘いのだ。
 そして、最初から欧米と協調してきたエジプトであっても、対欧米最強硬派として対立しながら180度の転換をしたリビアであっても、隙あらば寝首を獲こうとするのは、特に欧米の徹底主義からすれば、当然の事である。
 だから、歯向かって来なくなったら、今度は民主化という美名により指導者を倒し、民族自決を破壊する。傀儡の独裁者は歓迎だが、民族主義者の独裁者は面倒だ。それで、民衆を利用する。よほど洗練された社会ならともかく、独裁体制下にあった民衆を操作するなど、先進国にとっては簡単なこと。
 その点では、完全な独裁体制ではないが開発独裁と長期政権の日本も同様だ。政治的意識が低い「B層」といわれる庶民をマスメディアを利用して煽動してしまえば、ポピュリズムにより一見民主的に操れる。その代表的な例が、「民営化」による国有財産の解体と収奪であることは、よく言われる通り。これで日本はアメリカにむしり獲られまくった。
 こうして、アメリカに損をさせられ、中国に仕事と資源を取られている日本なのだが、それに対して適切な対抗策をとれない日本の体制側というだけでなく、それへのカウンターとなるべき在野の勢力も、そうした構造を分析できず、甘い幻想に支配されつづけているので、選挙でも市民運動でも、満足な成果を出すことができないのだ。
 
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国際総合 - エキサイトニュース
by ruhiginoue | 2011-03-22 02:59 | 国際