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by ruhiginoue

カダフィはロレンスの無念を実現

 リビアのカダフィ大佐は独裁者だが、他の独裁者たちとは違う。
 専制君主に取って代わった近代の独裁者は、政党政治の中で、一党支配する政権与党の代表をしている。ナチス党を率いるヒットラーとか、ファシスト党を率いるムッソリーニーという具合に。
 だからヒットラーの死後、交代して就任した総統が敗戦処理したように、独裁者も退陣したり交代したりすることがある。
 これが中東では、シリアやイラクの政権与党バース党であり、フセイン大統領はその所属であった。
 ところがリビアは直接民主制を取っていて、議会政治ではなく、政党政治が存在しない。広大な砂漠で遊牧民らが部族毎の統治をしている。それらを束ねてリビアの国政となっている。
 このまとめ役をして、また外交では顔役をしているのが、カダフィであり、最高指導者と呼ばれているけど、大統領でも総理大臣でもなく「大佐」と呼ばれている。この大佐も、正式な肩書きではなく俗称である。
 これは、かつて「アラビアのロレンス」がやっていたことで、映画になったようにT=E=ロレンスは、部族毎の統治をするアラブを、西欧に対抗するために近代国家としてまとめようとしたが、叶わなかった。それは今のアラビアの民度では無理だという王子と、それなら近代政治の勉強をしようという族長とがいた。
 このロレンスは、英国の情報将校として工作のためやってきたが、地元の人たちに肩入れするようになったのだけれど、カダフィは地元の出身で、それが軍人として英国に留学し、帰国後に王族を追放、27歳で国の長となる。そしてロレンスが挫折したことを実現した。
 だから、41年も独裁体制を維持していると批判され、退陣しろと言われても,自分は何の地位にも就いていないのだから辞められないと言ったわけだ。
 こうした特殊な状態にあることを、欧米は理解していない。だから下手な介入をして混乱させるばかりなのだ。そういう失敗は、欧米のお家芸である。

 
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Commented by デカ at 2011-09-12 03:36 x
カプッツオ、トブルク、ガザラ、デルナ、ムスス、マルサ エル ブレガ、エル アゲイラ、ベンガジ、ある本に何度も出てくる地名だ。この本には地域の部族の人間たるアラブ人のみが出てくる。
砂漠の民に国などはないのである。カダフィーなど一部族のアラブ人にすぎない。別の部族の人間が不満を持つのはアタリマエである。
まるでそこに国家が存在するかのような表現はかなり現実ばなれしていると思う。もしあるなら、それは国境なきイスラム宗教教国でありくだんの独裁者は、自らの肖像を掲げている点ですでに宗教裁判の対象者でしかないだろう。
独裁者の冥福をいのろう。
by ruhiginoue | 2011-04-11 13:04 | 国際 | Comments(1)