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by ruhiginoue

原発と共産党と文春と朝日

 (前項からの続き)
 この文春の論文は、実は他の出版社の発行する雑誌の前月号に掲載された、同じ著者によるもの。それだけでも非常識なのに、しかも元の掲載は『文化評論』という月刊誌で、この発行元は新日本出版社という共産党系の出版社である。それが右派の出版社の雑誌に転載されたという奇妙さであった。
 この指摘に対し、文春編集長が抗議を寄せ、朝日新聞に掲載された。そこで編集長は、反原発なんて新興宗教のようなものなどという内容を口汚い調子で書き連ねたうえ、その論文は広く読まれたほうが良いとして文化評論は承諾し、しかも全く同一ではなく色々と書き直しているから、何も問題はないとのこと。
 ところが、数日後に文化評論から反論が寄せられ、朝日新聞に掲載された。文春編集長の話だと、文化評論は転載に積極的だったことになるが、それは事実と異なるという。最初に文春から電話で転載の依頼があったさい、ハッキリ言ったはずだ。同じ人が書いた同じ内容の文が、別の出版社が出す別の雑誌の、次の月の号に転載されるなんて、雑誌の常識に反している、と。それを、書き直すからということで転載になった。他にも文春側が言うことには、文化評論にとっては憶えがないことがある。
 これは、どうしたことだろうか。これについて、テレビで田原総一郎氏に尋ねられた広瀬隆氏は、まず、その論文の前半は同じ内容で、後半が異なると指摘。前半は、広瀬氏の著書『危険な話』についてだ。チェルノブイリ原発事故の被害を、大げさに書いているというのだ。爆発によってガスが発生したので、広範囲に汚染が拡散したというが、実際には爆発で破片が飛び散っただけだ。
 しかし、その写真を広瀬氏は出して見せた。これはスエーデンの研究所が採取して、電子顕微鏡で撮影したものだ。それは球形になっていて、明らかにガスである。違うというならスエーデンの研究所に反論しなければならないのに、それはせず、根拠もなく決めつけている。つまり文化評論も文春も、似非科学者に騙されたのだ。
 そして、転載されて異なるのは後半だが、元の文化評論に掲載されたさいには、文春が発行する月刊誌『諸君!』への批判になっていた。そこが差し替えられた。これは文化評論の意図ではないはずで、文春に転載されるさい文春の発行雑誌への批判が別のものと差し替えられたのは自然なこと。
 だが、そのあと差し替えられて広瀬隆著『ジョンウエインはなぜ死んだか』への批判になっている。この本は、ネバダ州の核実験があったとき、風下でロケをしていたハリウッドスターたちにガンが多いことを告発した内容だ。これに対して非難している。
 しかし、この本の発行元も文春である。これでは差し替える意味がない。だから文春の意図ではないはずだ。もちろん、著者の意図であるはずもない。
 そして、この『ジョンウエインはなぜ死んだか』への批判とソックリな内容の文が、原子力業界の発行している小冊子に掲載されていた。それを入手して広瀬氏は提示し、だから、広瀬氏を個人攻撃するために、別々だった文を一緒にして、文春に働きかけたのだろう。つまり、これは著者でも出版社でもなく、原子力業界の意図であったはずだ。そう広瀬氏は指摘していた。
 では、どうして共産党系の雑誌が広瀬氏を批判したのか。これは、スタンスが違ったからだ。かつて共産党は、石油依存がアメリカ従属の原因だから、新しいエネルギー技術は研究すべきという立場だった。しかし、原子炉をアメリカが売りつけているから、これでは論外ということになった。なので、何より危険であるから、という広瀬氏とは批判のスタンスが異なったのだ。
 それを業界が利用して、各地から寄せ集め抱き合わせすることで個人攻撃に作り替え、広告をいっぱい出してやるから載せろなどと言って、雑誌に持ち込んだのだろう。だから、朝日の指摘に文句を言う文春の言い分が、文化評論と食い違ったのだった。
 こうしてみると、掲載するマスコミも、そこに登場する著者も、大企業から勝手な利用をされていることがよく解る。今では文化評論も諸君!も売れ行き不振で無くなってしまったが、そもそも「右」だとか「左」だとか、『朝日』と『文春』とか、そんなものは、しょせん上辺だけのことだったのだ。

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by ruhiginoue | 2011-05-06 06:30 | 社会 | Comments(0)