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by ruhiginoue

乙武氏は車椅子使用者代表ではない

 スポーライターで、身障者であることを事実上「売り」にしてきた乙武洋匡氏が、ツィターで盛んに発言している。
 そこへ、差別的な反応を示す人たちがいるけれど、乙武氏としては望むところだろう。彼は差別撤廃のため、あえて身を曝しているのだから。
 ただ、同様の障害者でも考えの異なる人たちがいて、迷惑がっている人たちもいる。これは乙武氏が悪いのではなく。彼が注目されたことで、あたかも彼が身障者を代表しているかのように扱われるから、異論を差し挟みにくくなり、反対意見は差別が目立ってしまうわけだ。
 かつて粥川某という人が、こんな指摘をしていた。
 「石井政之というジャーナリストが、自分の顔面にアザがあり差別や偏見を受けた体験を著書で語っている。このなかで石井氏は、ハンセン病の後遺症で差別を受けた人を取り上げたさい、現在は回復しているが後遺症のある人たちから、外見差別とは言っても、アザと伝染病の後遺症では、内容も事情も異なると指摘されていた。これについて、井上静という人が手厳しいことを書いていた。井上氏はアザの治療で医療過誤被害を受けており、皮膚ガンと誤診されたそうだ。しかし、井上氏だから石井氏を批判できたというのではおかしい。誰でも意見を述べてよいはずだ。ところが、なにか差別のように感じてしまい、言えなくなる。あの乙武氏だって、車椅子を使用する肢体不自由者の代表というわけではないが、彼に異論を唱えることはしにくい」(これは大意で、原文のママではない。)
 これは他にも、例えば、薬害の被害者は大勢いて、被害や事情は様々であるから、国会議員になった川田氏や福田氏が、すべてを代表しているのではないし、通り魔に家族を殺害されたのは、光市の本村氏だけではない。
 しかし、似たような背景の人以外は、何か言いにくい。そして、これを利用する。売りにして立候補や、テレビに出して泣き落とし、である。これを批判しにくいのは、差別や偏見を発揮する人たちと同列にされる恐れがあるからだ。しかし、それは根気良さで解決するしかない。昔からそうだし、この先もそうだろう。だから、コツコツと発言していくわけだ。
 
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 ネットコラム - エキサイトニュース
by ruhiginoue | 2011-05-23 09:43 | 社会