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by ruhiginoue

「届」と「願」の違い

 あるネット上コラムで、「退職届」と「退職願」の違いについて解説していた。「届」だと、それで決まりだが、「願」だと、決まるまで勤務先はどうするかと考えており、その間に出したほうは願いを撤回することもできる。すると、「届」なら勤務先の都合でやめさせられることになるが、「願」だと自らの希望によるので、失業保険などに影響があるから、たった一文字でも注意が必要とのこと。
 これと同じことが、高校の時に学校であった。それまでの「アルバイト届け」が「アルバイト願い」に変更された。これは届け出制度から許可制度へ、原則自由から原則禁止へ、正反対180度の変更であった。
 かつて、経済的な理由とか、人手が足りないのを手伝うとか、何か事情がある場合に、やましいことがないなら堂々と学校に届けていれば良いということで、学校と生徒との信頼関係に基づいた制度としてできたのだったが、それを、生徒は信用しないことにしたわけで、経済的事情があるとしたら、それが本当かどうか保護者に確認するという、プライバシー侵害である以前にたいへん失礼な、チェックすると言い出したわけだ。
 しかも、かつて学生運動が盛んだった時代に、先輩たちが学校側と交渉したうえで合意したものだったのだが、それを職員会議だけで決めてしまい一方的に強要するということだ。
 ところが、この一文字の違いが理解出来ない生徒が多かった。今思うと恥ずかしいのだが、自分も気付かなかった。気付いたのは、近隣の高校の生徒会の会合で話したさい、指摘されたからだった。
 この指摘をしてくれたのは、他の高校の一年生の女子だったが、学校にある当時の記録を調べて、近隣高校生徒会会議記録を閲覧したから、容易に理解できたのだった。
 これは、同校が伝統的にその分野でしっかりしてきたからで、この水準のことが出来ていた高校は、少なくとも同じ学区にはなかった。この高校について、同じ学区の女子校を卒業している小宮悦子アナウンサーが、テレビの『ニュースステーション』で「あそこは高校というより大学だから」と評した。
 それが生意気だという地元教育界の連中と自民党が、儀式ではなく生徒たちによる歓送迎会を開催する同校の伝統に対し「入学式と卒業式で日の丸君が代をやっていない」と難癖をつけて弾圧した、埼玉県立所沢高校であった。
 そして、「所沢高校生に入れ知恵された生意気な生徒会役員」が、「届」と「願」は180度違うと言って問題にしたら、我が母校の教師は「文句があったらお前が所沢高校に行けば良かった」とか「気になってお前の入学試験の成績をみたら、けっこう良かったじゃないか」と言った。「親の勤務先が潰れたため、行くつもりだった私立高が駄目になり、慌てて公立高校に願書を出した」と、屈辱的な事実を言わせたかったようだ。
 そして生徒会の顧問だった教師は「いいか、どうせお前たちはバカなんだ」と罵倒した。他の教師たちも、似たようなものであった。だから職員会議が勝手な決定をしたのだった。
 しかし、後に同級生の多くは言う。「しかし感謝しなければいけない。そのご指導のおかげさまで、私たちはこうして可も無く不可も無く平凡で幸せに暮らせるのだから」
 そして、この不景気の中で生活苦に喘いでいる人も少なくない。たぶんリストラの対象となったら退職「届」とすべきところで「願」と書いてしまうのではないだろうかと心配である。
 

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Commented by ケーキイーター at 2011-11-14 21:55 x
「歌」と「唄」ではどう違うんですか?
Commented by ruhiginoue at 2011-11-16 19:15
 「歌」は音楽が付かない文学も含めて言い、「唄」は音楽が付いたもののうち伝統的な分野、というニュアンスらしいけど、法的に問題にはなりませんね。
 
Commented by デカ at 2011-11-17 23:41 x
卒業式の退場曲は、「蛍の光」が反動的ということなので、スーザAncient honorable artilleryと書いておいたら、驚いたことにすんなりOKが出た。無論リハーサルでは前半部だけを繰り返した。実に感動的な卒業式であった。
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by ruhiginoue | 2011-11-14 18:59 | 雑感 | Comments(3)