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by ruhiginoue

談志が敵わなかった毒蝮

 立川談志をまじめに批判しても無力なのは、正論では空振りとなる相手だからだ。
 そんな談志が敵わなかったという唯一の芸能人が、毒蝮三太夫だそうだ。彼は俳優と司会者とお笑いをこなしていたが、もともとは子役で、その当時から本名の石井伊吉と名乗ってた。それが改名して現在までの芸名となったのだか、発案が実は談志だったそうだ。
 俳優として『ウルトラマン』と『ウルトラセブン』に、隊員役で唯一レギュラー出演していたことでも知られる石井は、それを見ていた談志から「怪獣ドラマに出ているなら、怪獣みたいに強烈な印象の芸名にしたほうがいい」と言われたうえ、具体的に「毒蝮三太夫」という芸名を提案されたそうだ。
 それを聞いたとき石井は驚いて迷ったが、談志が「この芸名で上手くいかなくなってしまったら、責任をとって生活の面倒をみる。月に三十万円渡す」と言うので、そこまで言うならと改名したと言っている。
 そして、俳優として活躍する一方で司会者として毒舌を発し続け、築地の有名な寿司屋の職人に「あんたが握る寿司、ほんとうに美味いの?」と失礼な質問をしたり、年配の女性に「また汚ねえ婆がいた」と言いたい放題した。
 子供の頃、彼が収録にやってきたのを偶然見かけたことがあるが、やはり「ばばあ」などと言うし、子供には「ウルトラマンのアラシ隊員ですよ」と声をかけたりしていた。
 それでも彼は、天真爛漫な笑みを浮かべて無邪気に言いまくるから、言われた相手も決して怒らず笑っていて、談志、たけし、まして石原慎太郎のようなふうには憎まれず、問題発言とはならないのだった。
 そして談志に対しては、談志が言うことをそっくりやり返したのだが、それが過激だった。談志は、よく舌禍事件を起こすと「洒落のわからねえ奴がいる」と開き直っていて、それを真似してきたのがビートたけしだったが、毒蝮は駅のホームで電車に乗ろうとしているとき、一緒にいた談志を電車が来る線路に突き飛ばし、危うく踏みとどまった談志が血相変えて「ばかやろう、死んだらどうするんだ」と怒鳴ったら、毒蝮は「『洒落のわからない奴だった』と言いますよ」と、相変わらず無邪気で天真爛漫な笑みを浮かべながら言ったそうだ。
 また、一緒にいるとき談志が暴漢に襲われ刃物で斬りつけられ負傷したさいには、談志の首の後に付いた切り傷を見て「貯金箱になっちゃったね」とニコニコして言いながら、ほんとうに小銭を取り出して談志の傷口に突っ込もうとした。
 これだから、談志も毒蝮だけには敵わなかったと言うわけだ。
 だから、お前は間違っていると言って正論をぶつけても平然としている者に対しては、毒蝮式の対応をしなければならない、ということだ。

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Commented by ケーキイーター at 2011-11-27 20:20 x
「単なる男子」と「紳士」の差ですか。
Commented by デカ at 2011-11-28 23:48 x
まあ、江戸っ子とは言えない。
歳暮を冷蔵庫に溜め込むなんざ、
しみったれの標本みたいなもんだ。
Commented by ruhiginoue at 2011-11-29 19:14
 談志より蝮は毒牙で勝っていたわけです。
 冷蔵庫の中身は、賞味期限が切れると弟子たちに食べさせ、ご馳走してやっているという態度だったそうですね。
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by ruhiginoue | 2011-11-27 16:22 | 芸能 | Comments(3)