人気ブログランキング | 話題のタグを見る

井上靜に関するblog(網誌)です。下記の著書を購入して支援を頂けたら助かります。下記の他は別人や海賊版なので買わないでください。Googleが誤情報を混ぜているので信じないで下さい。アマゾンのコメント欄に嘘の書評が書いてあるのは過日倒産した出版社の宣伝です。この種の輩に対抗する意味でも何卒よろしくお願いいたします。品切れのさいはご容赦ください。


by ruhiginoue

偉大なる将軍様と時給780円の日本国民

 金正日総書記が死去したそうだが、この場合を想定して準備をしてきたはずだから、よほど突発的なことでも無い限り、予定どおりの進展となるだろう。なにより彼は前に大病をして、命を取り留めたが、後遺症により再起不能となりそうで、そこから「奇跡の復活」と言われるように、また働きだした経緯なのだから。
 また、彼は父親の金日成元首相の下で長年働き続けてきたうえで、後継者となったのだから、本人も周囲も経験済みのことばかりで慣れているだろう。
 この父親が死去した94年、大学の売店で働いていた主婦たちが、嘆き悲しむ平壌の人たちの姿をテレビで見て、「国で一番エラい人が死んだからって泣くことないわ」「ああいう教育を受けているのよ」などと言い合っていたので、「テレビに映っている人たちは一部の人でしょう。それしか北朝鮮のテレビは写さないに決まっているんだから。日本で昭和天皇が死んだときだって、そうだったでしょう」と言ったら、意味が判らないという顔をされた。
 ただ、そのうち一人だけが、「そうよね」という顔をしながら、「でも、判らない人に言っても無駄よ」と言う表情をして首を振って見せた。たしかに、言われても判らない人じゃなければ、言われなくても気付いているはずだ。
 その数年後、ドイツ人の医師が、国際ボランティアで各国に奉仕として医療活動をしていたところ、北朝鮮で余計なことを言ったため、せっかく活躍していたのに追放されたという話を聞いた。
 そのドイツ人医師は、北朝鮮で見たことを正直に話たのだが、それによると、北朝鮮の社会の上層にいる人たちは、金正日総書記について、彼はそれなりに優秀であるけど、しょせんは親の七光りだと平気で悪口を言っているのだが、下層の人たちはみんな「偉大なる将軍様」と絶賛していたのだそうだ。
 それは日本もだいたい同じではないか。言ってもわからない主婦たちは、旦那の給料では足りず、いくら「バブル崩壊」「失われた十年」の時期とはいえ、90年代半ばで時給780円でパート労働し、これでは少ないと言って、新聞の織り込みチラシの求人をいつも物色していたのだから。
 だいたい、社会の下層にいる国民ほど、体制に従順であることは、世界共通だろう。
 
人気ブログランキングへ1日1クリック投票をお願いします
by ruhiginoue | 2011-12-19 21:20 | 国際