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by ruhiginoue

シリアについて中国とロシアは完全に正しい

 題名のようなことを書くと「中国やロシアに親近感をもっている」とか「イスラム教徒なのか」という単調な非難をする人がいるだろう。
 仮にそうでも、どんな国どんな宗教に好感でも反感でも、そのこと自体は自由勝手であるべきことだから、非難するにしてもその語彙が貧弱である。
 しかし、そこが問題ではない。冷静に考えてみよう。
 国連安全保障理事会で、シリア非難決議案に中国とロシアが拒否権を行使したことについて、悪い政権を擁護したからロシアと中国は悪いという非難をしている人たちがいるけれど、それは捏造報道している悪者か、捏造報道を鵜呑みにして感想を述べている愚者かの、どちらかである。
 youtubeなどインターネットで確認すれば明らかだが、どうして拒否権行使に至ったかについて、ロシアと中国の代表が明確に述べている。それを確認したうえで、どちらが正しいか判断しただろうか。してないはずだ。していれば、両国の言い分に反論しているはずなのに、していない。
 その両国の反対理由とは、産油国の利権とイスラム圏への反感によって軍事介入を目論む勢力の影響下にある諸国で垂れ流されている報道の名を借りた情報操作と、シリアの現実とが異なるというものだ。
 日本も含めた、その「影響下の諸国」では、「反体制デモへの武力弾圧が続くシリア」「アサド大統領の退陣や民主化を要求するアラブ連盟」「政府を非難し暴力停止を求める決議案」「常任理事国のロシアと中国が拒否権を行使し否決された」「決議案は欧米やアラブ諸国などが共同提出し、中ロ以外の13理事国がすべて賛成した」と、一方的で主観的で意図的な、とても報道に値しない宣伝が行われている。
 しかし、シリアでは一般市民の大統領支持が厚く、大手メディアでは報道されなかったが、日本でもシリア国民による大統領支持の意思表示の行動があったし、民主化を求めて反政府デモというのは嘘で、実は外国から唆されて武器まで供与された過激派であり、その暴力に対してシリア政府は当然の対処をしただけのことである。
 もちろんどこの政府だって、外国に唆された過激派の違法行為というのを弾圧の口実にするものだ。
 しかし、つい先だって、リビアの反政府デモ武力弾圧というのは意図的に流された捏造であったことが判明しているし、暴力を止めると言いながら軍事介入して傀儡政権を作った露骨な侵略であったことも、明らかである。
 その前のイラクでも、大量破壊兵器なんて最初から無かったし、その前の「イラク兵がクエートの病院に乱入して新生児を虐殺した」という涙の証言は完全なでっちあげのやらせであった。
 だから、アメリカのライスとかマケインらのような、戦争したさに同じ嘘を繰り返す者たちを信用してはならない。嘘がバレてもまるで反省しないでいる者たちが、またまたそっくり同じようなこと言ったら信用してはならないのは、常識である。
 報道についても、過日紹介したベルギーのジャーナリスト・ミッシェル=コロン氏が指摘しているとおり、色々なメディアが一致した報道をしているから正しいと思ってはならず、色々なメディアが同じ情報を流している場合ほど実は出所が同じであるものだし、また、何か対立があった場合は、片方だけの言い分を伝えられても情報を与えられたことにはならず、双方の言い分を紹介してどちらが正しいか比較のうえ判断できるようにしたものでないと、報道としての価値が無いから信じてはだめだ。
 これは、国際情勢とか戦争に限らず、どんなことにも共通なことであり、もう常識のはずだ。そんなこともわからない人たちが、報道に名を借りた宣伝を鵜呑みにして、単純に「拒否権発動したからロシアと中国は悪い」とバカ丸出しで言っているのである。


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by ruhiginoue | 2012-02-05 21:10 | 国際