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by ruhiginoue

創作とメディア論

 ドラマの『CSI』で、往年の人気SFテレビドラマのファンの集い会場から死体が発見されたという話を先日放送していて、考えさせられた。
 そこで死んでいた男は、そのドラマのリメイクのデモビデオを作成して映画会社に売り込み企画として採用されたと自慢し、会場で上映したところ、ファンたちからブーイングがおきていたから、これと事件が関係あるのではないかと捜査が始まる。
 そのSFドラマは宇宙もので、設定といい売り込んだ先が「パラマウント」というのだから、あきらかに『スタートレック』を仄めかしている。そして熱狂的ファンたちは、宗教のように思っていたり、ファンの中には兵士としアフガンに出征して負傷した経験から、子供のころに夢中になっていたというだけでなく、大人になってからは、戦争がなくなった未来の地球というドラマのテーマに共感してるという人もいた。
 だから、勝手にこれまでの作風とは違うリメイクをされただけで反発するだろう。
 そして犯人が判るのだが、それは女性で、口論がきっかけで暴力沙汰となった結果だから殺意はなく、ではその原因はというと、死んだ男がデモビデオを作成するさい参考にしたのが、死なせた側の女が大学で書いた論文であり、作品が作られて受けたのはなぜか、その面白さと社会的背景までを併せて論じたものだった。
 そのため、デモビデオは論文のアイディアを盗用していると女が抗議したところ、参考にはしたが論文はあまくで「メディア論」であって創作ではないから、その内容を用いたとしても剽窃には当たらないと言って男がはねつけたことで喧嘩になったのだった。

 最近、日本でも往年の名作がそれを観て育った世代によってリメイクされていて、同世代の人たちからは歓迎と反発の両方がある。その作品の評価はいろいろだが、自分のことを省みると、それについての著書がかつてあった。今では出版社による事実上の版権横取りによる裁判沙汰のため絶版となっているけれど、発行当時は一定の評価をされていたので、できたら再販したいと希望していたが、解決したとはいえ他の会社ともめた本であるうえ不景気なので難しいと、いくつもの出版社から言われてきた。
 しかし、それ以上に、やはりこれもあくまで「メディア論」ではないか。それに、メディア論に相当の意義はあっても、それで法律や医学の問題と違い、人命に関わるわけではない。だから再版の働きかけを積極的にしなくなっていたのだった。
 このことを、ドラマにより再認識させられたのだった。
 
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by ruhiginoue | 2012-06-06 22:13 | 映画 | Comments(0)