「竹島も日本の領土」by金日成
2012年 08月 11日
かつて(55年)、訪朝団の副団長だった左派社会党議員の古屋貞雄は国会で証言し、朝鮮民主主義人民共和国の最高権力者である金日成が漁業に関して「李ラインのようなバカげたことは主張しない。竹島も日本の領土である」と述べたそうだ。
「李承晩ライン」とは韓国が独自に海洋資源の保護を謳い、韓国付近の公海での漁業を、韓国籍以外の漁船で行うのを禁止したうえ武力で締め出すもので、これに違反したとされた日本国籍を主とした漁船が韓国側による臨検・拿捕・接収の対象となり、乗組員が銃撃され、殺害される事件まで起こった。
これに対して日米両国は「国際法上の慣例を無視した措置」として強く抗議したが、日韓基本条約締結の際の日韓漁業協定の成立(65年)によりラインが廃止されるまでの13年間に、韓国による日本人抑留者は3929人、拿捕された船舶数は328隻、死傷者は44人を数えた。
これを題材にした映画『あれが港の灯だ』は、そうした中で苦悩する漁民を描いたもので、船長に扮していたのは名優中の名優・山村聡、副長はキリヤマ隊長以前の中山昭二で、銃撃で死んだ日本漁船の乗組員の遺体を、乗り込んで来た韓国の警備兵が侮蔑をこめて足蹴にする場面もある。
この一方で、岸田今日子が扮する在日の売春婦が、民族差別で貧しく売春を強いられているのに、民族差別のない北朝鮮に帰る在日同胞たちが船に乗る場面を見ながら、「北は働く者の天国というけど、ほんとうにそうならみんな行っている」と言う場面もある。
監督は『ひめゆりの塔』や『真昼の暗黒』など反戦や社会派の作品で知られる今井正で、彼は共産党員であることを公言していた。
この李ラインのころ、北朝鮮は方針転換をはじめ、それが国際共産主義運動(コミュンテルン)より民族主義(チュチェ=主体)へ移行してゆくことになるのだが、これによって日本共産党と北朝鮮は距離を置くようになっていた。
方や韓国の初代大統領李承晩は、親米独裁政権として韓国内でも反発があり、日本では左派の人たちからの批判があり、その情勢が反映して南北に対しともに批判的な要素を含んだ映画が製作されたと考えられる。
さらに、李政権の韓国と対立する北朝鮮は、野党とはいえ日本の国会議員に対し、金日成が李ラインを批判するとともに、竹島は日本の領土とまで言ったのだった。
そして今、また韓国の大頭領はたまたま同じ名字となり、その李明博大統領は竹島に上陸し、対抗措置として日本は国際司法裁判所に提訴することなどを検討すると表明しており、第二の李ライン問題となることが懸念される。
また、両国とも、内政から外交へ国民の目を逸らしたい事情を抱えているから、その点にも要注意であるし、北朝鮮はどう反応するかとの興味も湧く。さて、どうなることやら。
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「李承晩ライン」とは韓国が独自に海洋資源の保護を謳い、韓国付近の公海での漁業を、韓国籍以外の漁船で行うのを禁止したうえ武力で締め出すもので、これに違反したとされた日本国籍を主とした漁船が韓国側による臨検・拿捕・接収の対象となり、乗組員が銃撃され、殺害される事件まで起こった。
これに対して日米両国は「国際法上の慣例を無視した措置」として強く抗議したが、日韓基本条約締結の際の日韓漁業協定の成立(65年)によりラインが廃止されるまでの13年間に、韓国による日本人抑留者は3929人、拿捕された船舶数は328隻、死傷者は44人を数えた。
これを題材にした映画『あれが港の灯だ』は、そうした中で苦悩する漁民を描いたもので、船長に扮していたのは名優中の名優・山村聡、副長はキリヤマ隊長以前の中山昭二で、銃撃で死んだ日本漁船の乗組員の遺体を、乗り込んで来た韓国の警備兵が侮蔑をこめて足蹴にする場面もある。
この一方で、岸田今日子が扮する在日の売春婦が、民族差別で貧しく売春を強いられているのに、民族差別のない北朝鮮に帰る在日同胞たちが船に乗る場面を見ながら、「北は働く者の天国というけど、ほんとうにそうならみんな行っている」と言う場面もある。
監督は『ひめゆりの塔』や『真昼の暗黒』など反戦や社会派の作品で知られる今井正で、彼は共産党員であることを公言していた。
この李ラインのころ、北朝鮮は方針転換をはじめ、それが国際共産主義運動(コミュンテルン)より民族主義(チュチェ=主体)へ移行してゆくことになるのだが、これによって日本共産党と北朝鮮は距離を置くようになっていた。
方や韓国の初代大統領李承晩は、親米独裁政権として韓国内でも反発があり、日本では左派の人たちからの批判があり、その情勢が反映して南北に対しともに批判的な要素を含んだ映画が製作されたと考えられる。
さらに、李政権の韓国と対立する北朝鮮は、野党とはいえ日本の国会議員に対し、金日成が李ラインを批判するとともに、竹島は日本の領土とまで言ったのだった。
そして今、また韓国の大頭領はたまたま同じ名字となり、その李明博大統領は竹島に上陸し、対抗措置として日本は国際司法裁判所に提訴することなどを検討すると表明しており、第二の李ライン問題となることが懸念される。
また、両国とも、内政から外交へ国民の目を逸らしたい事情を抱えているから、その点にも要注意であるし、北朝鮮はどう反応するかとの興味も湧く。さて、どうなることやら。
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by ruhiginoue
| 2012-08-11 14:59
| 国際