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by ruhiginoue

名刺と肩書と「杉井ギサブロー」

 今も各地で上映されている映画『アニメ師・杉井ギサブロー』の杉井ギサブロー監督とは、前に雑誌に書いたとおり、渋谷のホテルで開催された日本映画監督協会の祝賀会に参加させてもらったさい、お会いする幸運に恵まれた。
 そのさい、「私はアニメの本も書いているので読んで下さい」とお願いして、拙書を受け取って頂いたのだが、そのさい名刺も頂いた。
 そこには真ん中に大きな字で「杉井ギサブロー」とだけ印刷されていた。肩書きは無い。

名前だけだから、見せても良いだろう。
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 その裏側には、氏名のローマ字表記に「ANIMATION DIRECTOR」と添えてあり、連絡先として事務所と電話番号が記されているが、これは必要なことだ。
 名刺の肩書きは、組織人であるとか有資格者であるとか、後ろ盾や社会的地位を誇示するものだから、嫌みな感じがするほど羅列している人もいる。
 それが嫌だから肩書きを付けずに氏名だけの名刺を作っている人もいる。杉井ギサブロー監督がその名刺を作ったさい、どんな意図であったかは不明だ。
 ただ、御著書やその記録映画によると、若くして斬新な作品を次々と発表して話題になるものの、そのため映倫の圧力で描写が削除されたり、テレビ放送のスポンサーから苦情が出たりするなど何かと問題になり、しかし不本意なのにギャラにつられて仕事をすることをよしとせず、35歳の最盛期だったが「霞を食って生きていく」と宣言してアニメの仕事をすべて辞め、家族を残し一人で放浪の旅に出てしまったそうだ。
 そんな挫折と数年にわたる放浪から、あだち充の漫画のアニメ化で復帰し、『タッチ』が大ヒット、猫キャラが話題になった『銀河鉄道の夜』さらに『グスコーブドリの伝記』まで、再び傑作を連発するようになったという。
 こうした経緯が何か影響しているのかな、と想像してみたり、言わずと知れた有名人だから可能なことでもあるかと、名刺について考えたりしている。
 また、このドキュメンタリーの中の杉井監督は、71歳だが姿勢がよく動きも軽く元気が良いという記事を読んだが、実物もそうだった。随分と昔から活躍してきたはずだが、それにしては若いので、本人だろうかと真面目に疑ってしまった。
 そして、あの猫キャラを描いた人だと感じるオーラみたいなものを全身から発しているのを、ハッキリと感じた。

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by ruhiginoue | 2012-09-21 14:31 | 映画 | Comments(0)