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by ruhiginoue

ベランダ喫煙は違法との判決

 名古屋市にあるマンションで、住人の60代男性がベランダでたばこを吸い、その煙が上の階に住む人に不快感を及ぼし、このため体調が悪化したとして、上の階の70代女性は、その男性に150万円の損害賠償を求める訴訟を起こした。
 これに名古屋地裁は、「受忍限度を超え違法」として5万円の支払いを命じる判決を言い渡した。ここで堀内裁判官は「原告が重ねて喫煙をやめるよう申し入れたのに継続した」として女性の精神的苦痛を認定しながら、女性にも一定の受忍義務があるとして、賠償額は5万円が相当と結論付けた。
 つまり、こういうことだ。
 法的に規定された「受忍限度」とは、そもそも嫌なことは我慢しなくてもいいが、しかし、健康を害するなどの甚だしい程度でなければ、公共性に鑑みて我慢することが必要である場合も社会生活には存在する、という意味だ。
 この場合、集合住宅で生活していれば、騒音などいろいろな迷惑をお互いにかけることはやむを得ないから、一切の迷惑をかけては駄目だとまでいってしまうと、集合住宅の存在まで否定するも同然だから、ある程度までは我慢も必要で、しかしその程度を超えては違法ということだ。
 そして、もともとは「お互い様」なことだけど、被告は配慮を求められても無視し続けるという態度をとり、このため、原告は精神的苦痛による健康被害があったと認められ、我慢の限界を超えたから慰謝料を支払えということで、しかし被告が心ない態度でなければもともとは「お互い様」のことだから、請求金額より遥かに小額な賠償命令ということだ。
 また、この金額なら被告は控訴しないほうが安上がりだし、対立し続けるよりは、この判決を機に思いやりを、という提言とも解釈できるから、裁判官の配慮ではないかと考えられる。
 このところ、集合住宅のベランダでの喫煙は各地で問題になっていて、下から上とか風向きによっては隣に煙が漂い、一時的な不快感はもちろん、洗濯物に臭いが付いたりして洗い直さないといけなくなるほどのこともあって、手間と水と電気代など経済的に実害が生じるし、うっかり灰を落として干してある布団に落ちたら火災の原因にもなる。そうしたことは実際に起きている。
 喫煙者の中には、自分が吸うことしか考えない人がいる。家族に疎まれると、仕方なくベランダで吸う人もいる。すると夜はベランダでタバコの火がまるで蛍が飛び交うように見えるから、ベランダ喫煙者は「蛍族」と皮肉られたりもしたが、家族はよくても近所迷惑であるとまでは考えていない。
 そういう被害に遭ったことがあるから、個人的にも嬉しい判決が出たと思う。その困った隣人は、火災を起こして消防車が来たとか、騒音の苦情で警察に通報され警官が調べに来た、などなど隣近所に甚だしい迷惑をかけているのに、自分は隣にささいなことで文句を言い、それもベランダで座布団一枚を叩いただけでホコリが飛んで来ると文句を言うなど、ひどいものだった。
 こんな人がいるから、法的手段に訴えないといけない場合が発生するのだろう。
  
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Commented by 依存症ですね at 2012-12-30 14:33 x
 その被告はニコチン依存症ですね。(一概には言えませんが)
 そもそも喫煙者は好奇心やストレス解消などの理由でタバコを吸っていますが、その成分であるニコチンに依存性を引き起こす作用があると聞いたことがあります。当然、禁断症状もあってささいなことでもイライラするぐらいひどくなります。
 私は嫌煙家なのでタバコは大嫌いですが、かといって愛煙家の気持ちが分からないわけではありません。ですがやはりタバコも麻薬・覚せい剤と同じ部類として扱った方がいいのではないでしょうか。幸いにも禁煙治療する医者や病院も出てきましたし、税の値上げだけでなくタバコの害を教える教育をもっと徹底するべきです。
 
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by ruhiginoue | 2012-12-29 20:16 | 司法 | Comments(1)