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by ruhiginoue

原発の「トラブル」とは何か

 「韓国で再び原発事故」
 「韓国南東部の蔚珍原発2号機でタービンにスチームを送り込む系統が故障し運転が自動停止した。28日地元マスコミが伝えた。
   自動制御装置によってタービンにスチームを送る弁が閉じられている。
   蔚珍原発は89年から運転。出力は95万キロワット。同原発には6つの原子炉があるが、現時点ではそのうち3基のみが運転しており、残りの3基では12年8月におきた自動停止後、点検が行なわれている。」
 と、インターファックス通信が報じたが、自動停止したなら未然に防がれたので事故ではないという人もいるだろうし、過去に日本の原発で同様のことがあったさいは「事故」ではなく「事象」だと言う向きもあった。
 この種の表現で日本ではよく「トラブル」を使うが、外来語である。日本語で言えないのか。以前、本多勝一氏が朝日新聞の記者だったとき、ある放送で「トラブル」と言っていたことについて、よく使用される表現だが、もし本多氏の父親が聞いたら「トラブルってなんだ?」と言ったはずで、単に昔の世代の人が知らないという問題ではなく、日本語を使って自国の表現と文化を育てることをせず外来語を安易に使う風潮は、良くないと批判していた。
 しかし、本件だと、よく訳される「もめごと」などでは不適切だし、なんと表現したらいいのだろうか。これというのも、日本語表現は外来語に頼りすぎてきたからだろう。これについては本多氏も著書で指摘していたが、日本語は歴史的に、まず漢字、次に英語などのカタカナ、というように便利だからと当てはめては、安易に取り入れてきた。
 そして、正確で適切な表現を使用しないで、適当にすませ、それによって物事の本質を誤摩化したり、あやふやにすることで責任の所在をわからなくしたりしてきた。
 こういうことは、先日亡くなった丸谷才一氏などが口やかましく言っていた。なのに、どうしてそういうことが定着しないのだろうか。それを言うと、「細かい事はいいんだよ」とか「理屈っぽい」など非難されてしまう。
 これは、周囲を気にしながら核兵器や原発を批判したりするので、その姿勢と読みにくい文体を本多氏から批判されてきた大江健三郎氏が言ったとおり「曖昧な日本」ということだろうか。
  
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by ruhiginoue | 2013-01-07 18:24 | 社会