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by ruhiginoue

子供を言い訳にする醜さ

 先日死去した大島渚が、かつて著書の中で述べていた。
 本心から離婚したいと思っているのに、子供がいるからしないのだ、と言う人がいる。それを機嫌が悪い時に聞かされると、ムッとしてしまうそうだ。
 なぜなら、大島は小学生のころに父親と死別していて、配偶者の小山明子も中学生のとき母親を亡くしているからだ。このように、離婚でなくても片親になる子供はいくらでもいる。
 そして、両親が揃っているのはよいけれど、夫婦仲が悪いため家庭内が険悪になっているよりは、父親だけとか母親だけのほうがよいだろう。
 だから、離婚したいのに子供がいるからしないというのは理由になっておらず、自分のことなのに決断と行動ができない言い訳として子供を持ち出すのは卑怯だ、というのが大島の言う趣旨だった。
 確かにそうだ。前に、両親がDVを原因に離婚しているという人から、進学のさい学費がないけど母子家庭ということで支払いを猶予してもらったという体験談を聞いた。この一方で、父親が不倫をして愛人に貢いでしまい学費を出してもらえないという人は、それでも形式的には親がいて学費を出す経済力があるということになって奨学金の審査をはねられたりしてしまう。
 このため、学費で苦労したり、泣く泣く進学をあきらめたりした人たちが現実にいて、その母親はだいたい、子供がいるから離婚できなかったと言うものだ。子供のためになっていないどころか、子供の人生を滅茶苦茶にすることにもつながるのに、子供のために離婚しなかったと言って恥じない。
 この他にも、経済的な問題だけでなく、家庭の雰囲気が情操に良くないとか、いろいろと悪影響があるのに、子供を言い訳にする人がいる。例えば大島の映画に出た縁で葬儀にも来たビートたけしは、不倫を週刊誌に探り回られたことに怒って暴力沙汰を起こし逮捕されたが、不倫のうえ愛人が未成年者であったため、民事・刑事で問題になりかねないので堂々としていられず、裁判で言うに事欠き、子供に悪影響が及ぶから焦ってしまったと言い訳をした。自分で家庭を壊す原因を作っておいて、それを追及した週刊誌が悪いというのだ。
 これと同様なのが橋下徹で、普段は他所の子供を虐めまくっているくせに、自分が困ると、自分は公人だけど自分の子供が可哀想だと言い出す。
 ほんとうに、みっともない話だ。それに比べたら、大島は家庭を大事にして円満であった。ただ、彼は普段から太宰治の「家庭の幸福は諸悪の根源」という格言を信奉しているようで、家庭が幸せだとエゴイストになって社会性を無くすという主張を説いたり作品に込めたりしていた。
 だから大島渚の映画と発言の声高さは、自分の後ろめたさによるものだったのだろう。

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by ruhiginoue | 2013-01-22 12:54 | 映画 | Comments(0)