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by ruhiginoue

残業を拒否したから解雇して合憲

 ある人が、労組の役割について語っていたことから、思い出したことがある。
 かつて知人の弁護士と話していたさいのこと。
 法廷には、裁判官が動員をかけるような形で他の職員たちを集める。だから、各部署から人員を借りているような意識を裁判官は持っているようだ。そのため、終了の時間が迫って来ると、時間内に済ませようと裁判官が急いだり焦ったり苛立ったりする。
 という話がでた。そこで「日立の裁判で、残業を拒否したから解雇して合憲、なんていう判決を出すんだから、裁判所も、もっと残業すればいいのに」と皮肉を言ったら、その弁護士は笑ったけど、そのあとすぐ「あの日立の判決は酷すぎるな」と真顔で言った。
 その日立の裁判について、日立の工場に勤めている知り合いが、その解雇された人について、別の工場だから面識は無いが、職場で好かれていない人だから、あんな形で失業者にされたけど、「あの人には同情しないな」と言ってケッケッケッという調子であざけり笑っていた。
 そんな人なら同情はしなくていいだろうけど、そんな人を前例にして、自分たちが同じ目に遭ってしまうことを、なぜ心配しないのか。何でも、まず反発されにくそうな人を狙い突破口にするものだ。そう言ったけれど、変わらず嘲笑するばかりだった。
 この解雇問題について、後に評論家の佐高信が書いているのを読んだ。それによると、日立の労働組合の集会に「間違って呼ばれ」て、講演をした。そのさい、裁判以前に、どうして労組は会社に抗議しないのかと批判した。すると労組の役員という人が口を挟み、あの人は解雇されて当然の人だから例外だと反論したそうだ。
 その人の評判については、佐高も知っていたそうだ。我を張り協調性が無い人だし、「一言多いタイプ」でもあったから、職場で好かれていなかった。しかし、それと解雇問題は関係ない。そう指摘しても、あくまで例外だと食ってかかられた。
 だから佐高は呆れて「裁判になれば判例となって結果が一人歩きする。そんなことも解らないのか」「今日は来た甲斐が無かった」と怒りながら言って会場を出たそうだ。
 ここで佐高は、日本の大企業が御用組合ばかりだと批判していたのだが、それ以前の問題ではないかと思い、別の見解を持った。
 つまり、従業員としての立場と、個人の人柄の問題との区別がつけられないうえ、迫害された人を嘲笑して悦に入るかのような態度をとっている人たちが集まっている、という問題であろう。

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by ruhiginoue | 2013-02-09 22:59 | 司法 | Comments(0)