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by ruhiginoue

同じ穴のムジナ

 医師は、医学に関して「専門家に任せて素人は黙っていればいい」と言うのが大好きなくせに、自分が素人である分野には知ったかぶりしてお粗末なことを言いたがる習性があり、「床屋政談」とか「赤提灯談義」などと言われる話を、高度な政治学とか外交問題と錯覚し、得意になっていたりする。
 この話を美容診療所経営で有名な高須医師を例にして、少し黙っていろと言ったところ当人が小耳にはさみツィターで黙らないぞと反発してきた。
 しかし、こういうことは、ほとんどすべての分野について言えるのではないか。
 前に、「武力に依らないイラク復興」を請願する署名を何千人分も独力で集めて、憲法で規定された国民の請願権に則り提出した女子高生を、当時の小泉純一郎総理は、学校の教師が国際政治の難しさを教えないから、こんなことをする生徒が出るのだと公に言い放ち侮辱した。
 自分で支持を集める大変さを知らない七光り総理の、自国民より名主国であるアメリカに媚びへつらった醜い姿だったが、努力した女子高生を生意気だと言う一般国民も少なくなかった。腹立たしいことだが、それも仕方ないことではないか。
 このとき小泉総理を批判していたなかに、知り合いの作曲家がいる。彼は戦争反対が信条である。ただ、音楽については、売れない無名の人とはいえ、どこぞの音楽大学を出ているし、どこぞの作曲コンクールで入選したこともあり、一回か二回(たぶん一回だけだった)NHK・FMの「現代の音楽」で、演奏された曲の録音を放送されたこともある。しかし政治や外交はまったく素人である。
 もちろん、素人でも構わないはずだが、そう思っているなら一貫性を持つべきだ。なのに、この作曲家は、音楽のことになると、素人は駄目だと言って譲らない。ちゃんとした音楽が出来るのは、エキスパートから専門教育を受けた人だけ、なんだそうだ。
 それでは小泉総理と同じではないか。誰でも政治に参加する権利があるのと同じように、音楽その他の芸術も、誰にだって参加する権利があるはずだ。そして、素人では駄目だと威張って言う人が多い割には、医学界も政界も程度が低く、このことは芸術もまったく同じである。
 その作曲家は、自費で立派なホールを借り切って発表会を開くけれど会場はガラガラで、友情から知人も誘って入場券買って行ったところ、同行した者はみんな「まだ終わらないのか」とアクビしてばかりで、あげくに「こんなの音楽じゃない」と言っていた。
 しかし、誰も音を聴いて楽しくない「音楽」も、エキスパートに専門教育を受けたうえで、その技巧を駆使している芸術であり、それを解らない者のほうが悪いということだ。
 このように、自分が専門だと思っていることになると、自分を勝手に持ち上げて他人を見下すというのは、分野に関係がなく共通している。だから、対策としてはまず、自分を専門家だと思っている連中の面の皮を引っ剥がすことが必要だ。意外に簡単にはがせるものである。

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by ruhiginoue | 2013-02-14 20:53 | 雑感 | Comments(0)