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by ruhiginoue

東京弁護士会による日弁連規定違反のススメ

 弁護士は、広告をしてはいけないことになっていた。業務の性質から、商業主義的になることを心配してのことだった。しかし、弁護士を探すさい情報が得にくくなるという問題があった。これは依頼人と弁護士の双方にとって不便である。
 そこで、日弁連が2000年に「弁護士の業務広告に関する規程」を作り、これに合わせていれば弁護士も広告が可能となった。
 この日弁連規定には、広告の手段の一つとして「電磁的方法」が挙げられている。これはインターネットサイトなどを意味している。また、「表示できない広告事項」の第一として「訴訟の勝訴率」が挙げられていて、これは数値の確かさがわからないうえ、依頼人に過大な期待をさせる恐れがあるからだ。
 ところが、銀座ファースト法律事務所が、事務所のホームページで勝訴率を謳っていた。なんと勝訴率が九割とのこと。これが本当かどうかは、いろいろな情報から怪しいと考えられるが、それ以前に、日弁連の規定に違反してるのではないか。
 これが問題になって、同事務所の責任者である田中清弁護士は、所属する東京弁護士会に懲戒請求をされた。
 すると、同弁護士は、次のように弁解した。同規約中「広告の定義」の「顧客又は依頼者となるように誘引することを主たる目的とするものをいう」の部分を引いて、この「主たる目的」は、インターネット上で事実に反する中傷をされたため、これに反論することであるから、「電磁的方法」により「訴訟の勝訴率」を公示しても「広告」ではないから規約違反にならならいという。
 ということは、同事務所はインターネット上で「勝訴率が低い」とか「業務全体で敗訴が多い」などと書かれたわけである。
 それが仮に事実だとしても、確認のしようがない勝訴率を持ち出したところで反論にはならない。愚かな法律事務所であるか、依頼人を舐めているか、それらのどちらかであり、依頼したい人はどうぞ勝手にということだ。日弁連の規約に違反したという公的な問題ではない。
 ところが、同事務所の弁解は嘘であった。同事務所が、勝訴率が低いとか全体的に敗訴が多いとかいう非難をインターネット上で受けた事実は存在しなかった。
 これを知りながら、東京弁護士会は、同事務所の弁解をそのまま口移しすることで、懲戒しないと決定した。つまり、されてもいない中傷をされたと捏造したうえで反論する形をとれば、日弁連の規定に違反したことにならないということである。
 抜け道とか屁理屈どころではない、恐るべき、東京弁護士会による日弁連規定違反のススメというわけである。
 

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by ruhiginoue | 2013-04-29 00:26 | 司法 | Comments(0)