井上靜の気楽な日誌です。気楽にコメントしてください。おたよりも気楽にe-mail:ruhiginoue@excite.co.jpまで


by ruhiginoue

竹内均が生きていたら原発事故に何と言ったか

 竹内 均(たけうち ひとし1920年7月2日 - 2004年4月20日)というタレント学者がいた。専門は地球物理学、理学博士。彼が生きていたら、原発事故について、何と言ったのだろうか。きっと、政府と業界のために、安全だと強弁するだろう。そうしている姿を想像している。
 彼は、もとは東京大学教授で、後に名誉教授となるが、大学を退職してから本格的な活躍を始めた。科学雑誌『Newton』を創刊し、初代編集長となる。科学を判り易く解説し、取っ付きにくいと思っていた一般人を啓発した功績を評価されている。
 ちょうどSF作家で科学解説者としても活躍したアイザック アジモフのようで、メディアへの露出も多く、サンダーバードを設計したブレインズのようなふちの厚いメガネがトレードマークだった。
 この人を最初に見たのは、映画『日本沈没』だった。地殻変動を説明する科学者役というそのままの設定で出演している。また、CIA謀略雑誌のリーダーズダイジェストが発行している地学のビジュアルな冊子で解説をし、そのさい付録の(なつかしい)ソノシートで、喋べくり解説もしていた。これから数年後に、リーダーズダイジェスト日本は、組合潰しの偽装倒産をした。そんなメデイアにも出ていたが、Newtonも、読むと如何わしかった。企画を通し資金を集めるには、それなりの政治力が要るが、そういうことに長けた学者が、東大にはよくいる。
 そんな竹内均は、タレント学者の先輩である寺田寅彦が残した「天災は忘れた頃にやってくる」という言葉を胸に抱き、関東大震災以降、災害に、特に地震に無頓着であった日本国民に警鐘を鳴らし続けたという。
 それでは、震災によって原発事故が起きたことについて、竹内均が生きていたら、どうしただろうか。彼は昔から、原子力業界のテレビCMにも出演していて、原子力施設から発生する放射線は、自然界から常に浴びている放射線より、遥かに微量だと言って安全だと強弁していた。
 これは比較すること自体がすでに変なので、すぐにイカサマだと判る低劣さだが、これより前に、既に、映画にもなった『原子力戦争』で、テレビのバカ司会者に成り下がる前の田原総一郎が、事故の危険と管理のずさんさの実態などを詳しく述べていて、だから危険が指摘されていたのだ。それに対し竹内均は、反論ではなくゴマカシていた。
 この『原子力戦争』に、宇井純教授が推薦を寄せていた。この宇井純教授は、もちろん「公害原論」で有名だが、彼は小さい頃から天才と称賛され、学校でも成績優秀で当たり前のように東大に入るが、そこで科学のイカサマや御用学者の醜さに気付いて、東大で非公式の講座として「公害原論」をはじめたら好評で、東大も規則違反だが黙認していたという。
 そうした宇井純教授と竹内均は対極にあるが、他にも竹内均は修身教育の復活を提言したりと、当時の自民党の古い人たちに積極的な迎合をしていた。今でも、理系だけど政治もわかるというポーズをとる人が、どこかの受け売り丸出しの薄っぺらなことを、よく言っている。その先駆けが竹内だ。
 そして、困ったことに、そんな中高生でもわかることを、理系独特の無知で解らない理科の教師が、竹内先生の解説が解りやすいとかNewtonが読むとためになると授業で言う。これに対し、自分も含めた生徒たちは、もともと、竹内均なんて政治力を備えて虚名をまとったインチキ学者だと怒っていたので、教師がくだらないことを授業中に言うので、イライラしたものだ。
 その後も、やはり竹内と同じ発想をする人がいるから、やはりイライラしてしまう。竹内とは違うけど、竹内のようなセンセイに教わって素直に学位をとったという人は、悪気はなくても竹内式の発想をしていて、それが正しいと信じているうえ、自分は学位をとったのだから、素人に言われる筋合いは無いと思い込んでいる。
 しかし、学位をとったことで素人以下になるという現実もある。どんな分野でも共通することだ。それを証明しているのが、名をあげて地位を築いたセンセイたちである。簡単にわかることだが、センセイにくっついて勉強してしまった人は、理解できなくなってしまうのだ。そういう人を、誰でも身近で見かけて、時にはイライラさせられるのではないだろうか。
 
 
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Commented by ケーキイーター at 2013-06-19 19:04 x
『Newton』はそのうち立ち読みすらしなくなったけど。『Newtype』の方が長続きしそう。そんな事を書いている私はアニメージュ派だった。
Commented by ruhiginoue at 2013-06-20 18:28
『Newton』なんて、わかりやすくカラフルにしているのがかえって読者を見下してました。

『Newtype』は角川?
徳間の『アニメージュ』に対抗して創刊?
よく知らないのだけど、『アニメージュ』はデッサンのことに言及したり、安彦氏が政治の話まで書いたり、お宅雑誌じゃない感じで好感をもってました。
Commented by ケーキイーター at 2013-06-20 20:43 x
『Newtype』は角川書店発行。何とオレンジページと同じ1985年の創刊だった。私はあまりよくは知らないが、アニメージュに関しては初代編集長の故・尾形英夫氏の自伝、更に現在『熱風』に連載中の大塚英志の文章が詳しそう。『熱風』はスタジオジブリ発行のフリーペーパーで、私は定期購読している。そんなところ。
Commented by ケーキイーター at 2013-06-20 20:48 x
うっかり大塚英志氏を呼び捨てにしてしまった。すまぬ。
Commented by ケーキイーター at 2013-06-20 21:06 x
『ニュータイプ』と言えば、角川書店の社長にまでなってしまった井上伸一郎氏の出席譚が凄いみたい。この人に「もし引退したら、自伝書いて欲しいな」って思っております。
Commented by ruhiginoue at 2013-06-22 06:39
 やはり角川でしたか。思ったより遅い創刊ですね。よく続いているなあ、と感じていました。
Commented by ケーキイーター at 2013-06-22 09:31 x
安彦さんの描いた似顔絵って面白いなあ。特に小泉元首相とか…。安彦さんが竹内均氏を描いたら、どうなったのかな? 無事『ニュートン』の話題に戻りました。
Commented by ケーキイーター at 2013-06-22 17:29 x
微妙な思い出。昔テレビで『コスモス』っていう番組が面白かった様な…。カール・セーガンさんでしたっけ…。
Commented by ruhiginoue at 2013-06-22 20:26
 安彦さんの絵は、ほんとうに上手い。
 カール セーガンの『コスモス』は、日本では80年の末か81年の初頭に放送されたはずです。印象的な音楽はヴァンゲリスで、規制曲の流用でした。
Commented by ケーキイーター at 2013-06-22 22:29 x
規制曲ねぇ。「選挙では『あまちゃん』の音楽を勝手に使ってはいけません」の世界ですか。(笑)
ところで、ナンバープレートが『666』の車を見ると、私はつい「あ、アフロディーテス・チャイルド」と言ってしまう。
Commented by ruhiginoue at 2013-06-23 08:14
既成曲の誤変換でした。http://youtu.be/SynSKWw0vqA
これですね。
やはりギリシャの音楽家。
Commented by ケーキイーター at 2013-06-25 22:39 x
あの…。お師匠さんてまた綴り間違いしていないかな?
Commented by 白田川 一 at 2013-06-26 18:15 x
  高学歴又は学位というものにしがみつく人間ほど世間知らずと言う事例が多かったりしますからねぇ・・・。本当に頭脳の出来がいい人間は、高等教育機関まで行く必要も無いとも言うから、「どうしても知りたいことがあれば気が向いた時に独学せよ」ということなんでしょうねぇ・・・。
Commented by ruhiginoue at 2013-06-26 19:04
最近、いそがしくてあわてて書いてます。ただでさえ、そそっかしいのに。
Commented by ケーキイーター at 2013-06-27 13:56 x
「デイバイデイ」より「忙しい~」の方がいいじゃん。
Commented by ruhiginoue at 2013-06-27 19:08
そうですね。ランボー暇なし。
Commented by ケーキイーター at 2013-07-06 07:33 x
本当に余談なんだけど。ジョージ・靴よけ・ブッシュとシルベスター・スタローンが生年月日が同じだった。1946年の今日らしいです。つくづくストレンジ・ホビーだなぁ、私のは。
Commented by ruhiginoue at 2013-07-06 17:49
 7月なのに6月と勘違いされて、6月6日生まれだからヤバい人だと言われたことがありました。
Commented by ケーキイーター at 2013-07-06 20:03 x
ホリエモンの誕生日まで覚えてしまった…。
Commented by kapkap at 2013-09-30 20:09 x
「地震予知は夢物語ではない-竹内均氏に反論する」
こういう論文をたしか科学朝日に掲載したのが同じ東大の
力武常次氏だった。
竹内氏は予知に非常に懐疑的で、それに膨大な予算を投入する
よりは、地震が起きてもそれに対処できるような社会資本作りを
考えるべきだ、と提唱した。
結果は力武氏が地震予知連絡会の副会長に座って、ご存じの
通り地震予知という壮大なロスが進行する。
ご指摘のように、竹内氏に政治力があったならどんなに良かった
か、と思っているのは、私だけでもないのでしょう。
Commented by IQ低い東大卒の多さ! at 2014-08-16 02:34 x
竹内が訳した「父から息子へ」を読んでみたが、これが本当の訳なら原本執筆者のチェスターフィールドって、とてつもないバカ野郎ですね。そのくらい普遍性のない本を恥ずかしくもなくだしている両名って、とてつもないバカどもだと信じています。私は絶対に息子には読ませたくない!最低の本です。

東大卒って、IQ低いこのようなバカが沢山いるよね!ある意味、世の中を欺いているIQ平均120ぐらいの馬鹿どもは、別の経歴にしてほしい!

もう明治維新ではないのでネ!
東大を狙うより、自分の好きな事を正々堂々と行える道に多くの若者が進んで欲しいと思います。
Commented by ruhiginoue at 2014-08-19 14:42
 東大がまともな感じがするのは、優秀だからではなく、他の大学が駄目すぎるからです。だから大学を全体的に向上させることです。
Commented by L at 2017-02-21 00:19 x
 ニュートンと言えば、特集で「神武東征」をやっていて竹内も記事を書いていました。もちろん、現実の歴史としてです。
 ニュートンは御用臭がするし、図版もエアブラシぽいタッチが気持ち悪く、砕いているようでわかりやすくもなくて、中央公論「自然」の方が良かったし、「科学朝日」の方がマシでしたね。さすがに、岩波の「科学」は高級で読めませんでした(今はそんなに難しくないですが)。

 それでも、竹内のNHK教育テレビの高校理科講座は、手が入っているからもあるでしょうが、なかなか調子が良くわかりやすくてよかったですけどね。
Commented by ruhiginoue at 2017-02-21 14:30
版元が経営危機ということで、また『ニュートン』が注目されていますね。
『子供の科学』はもっと古いけど昔は検閲を受けていて、この種の雑誌でもそうかと思ったものです。
しかし『ニュートン』は積極迎合雑誌とでもいうべきか。
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by ruhiginoue | 2013-06-19 07:47 | 学術 | Comments(24)