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by ruhiginoue

ロシアへの偏見を克服するためには

 ロシアと日本の良好な関係を妨げているのは領土問題だけではなく、日本人の意識に根付いているロシアに対する偏見があり、この冷戦時代からの偏見を克服するのは容易ではないと、元駐日ロシア大使を務めたことのあるアレクサンドル・パノフ氏が指摘する。
その偏見は、日本のメディアによるロシアについての否定的な報道と、その背後にあるアメリカのプロパガンダマシーンが、かなり効果的に作用していることによるとのこと。
 戦争で、ロシアは日本にひどいことをした事実があり、しかしそれはアメリカも同様である。また、戦後にアメリカが日本に対してよいことをした事実もあるが、ロシアも同様に、日本に良いことをしており、だから実際に、日本人はアメリカにもロシアにも信頼はあったのだが、日本の親米ロビーは非常に強い力をもっているため、なんでもアメリカは良くてロシアは悪いというように誘導されてしまったと、具体的な事実を挙げて指摘する。
 これについてモスクワ国立国際関係大学のドミトリー・ストレリツォフ教授は、誤解を少なくすることは可能だろうが、偏見は数十年の長きにわたって形作られてきたものだから、すぐに何かひとつのことによって変わるということはありえない。ただ、誤解と不信を克服するためには最初の一歩を踏み出さなくてはならない、と前向きに努力するべきとしている。

 それはもっともな部分もある。挙げられた歴史的事実は確かに存在する。だが、旧ソ連の宣伝戦略が下手というか、ひどすぎた。それを、まずロシアは反省するべきだろう。今この論調を知ったVOICE OF RUSSIAは、客観的な情報を発信しているが、かつてのモスクワ放送などソ連政府の公式見解を垂れ流すだけの退屈なものだった。
 あと、ときどきここでも紹介しているロシア政府がスポンサーの英語のテレビRT(ロシアトゥデイ)は、世界情勢から経済まで、アメリカの傀儡である日本の報道とは大違いの貴重な情報を提供してくれる。投資にさいしてプロ投機家がやる「日経逆張り」といわれる日本経済新聞のいんちき報道の裏を読むさいも、ロシアの英語放送は有益だ。
 また、今でこそCIAの告発をしてアメリカ政府から逃れた人をかくまっているが、昔は迫害を逃れて助けを求めた人がスパイと疑われたり粛清されたりしたのだから、それを改めて、アメリカやイギリスやフランスや日本と何かあったらロシアにかくまってもらえるようにすることで、ロシアが信頼を得ることだろう。

 日本はロシアに親近感もある。ロシアの文学は人気がある。ドストエフスキーもトルストイも。音楽も人気がある。民謡から、チャイコフスキーやショスタコーヴィッチまで。ジェット戦闘機のミグやスホーイも人気がある。大ヒットした日露戦争の映画「二百三高知」で、ロシアの文化を愛しながら戦死した主人公が、学校の黒板に書いた「美しい国、日本」「美しい国、露西亜」の文字だけ残っている場面で、観客はみんな泣いたものだ。
 
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by ruhiginoue | 2013-06-26 18:55 | 国際