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by ruhiginoue

理不尽な目に遭って死を選ぶ子供

 もちろん体罰は違法だが、現実はもっとひどく、体罰に名を借りた虐待を受けて自殺する者もいる。先日は、部活の顧問に殴られつづけて自殺した高校生の裁判があった。
 このような虐待は、かつて軍隊で多くの自殺者を出した。閉鎖的な組織の中で、力関係を利用しての暴虐だから陰湿で悲劇が起きても当然だが、そんな上官が戦死すると、後方から銃撃を受けていたという。
 また、体罰と称した虐待とともに、いまどき信じられない時代遅れとして問題になっているのが、田舎での村八分だ。迫害を受け続けてブチキレた人が大暴れして死者が出たことが話題になった。
 過日亡くなった名優・三國連太郎は、戦争に行って死ぬのは嫌だからと、恋人と一緒に逃げようとしたが、実の母親が密告したために捕まってしまったという体験がある。これは、彼の母親が、家族が脱走兵になったことで権力から迫害されるからというより、非国民として村八分になることを恐れたためだったそうで、捕まった本人は軍隊に連れ戻されはしたが、特に厳しい処分を受けることはなかったという。 
 そもそも、死ぬくらいなら、相手を殺すか、訴訟にするか、逃亡するか、したほうがまだマシなはずだ。しかし、そうなると両親が肩身の狭い思いをすると考え、思いつめた末に自殺に追い込まれた者が、少なくないのではないか。自分だけなら助かることができるけれど、それだと親が社会から迫害を受けてしまう。それで、自分さえ居なければ済むと思って、子供は自ら死を選ぶ。
 まさかと思う人もいるだろうが、子供はこういうことに結構敏感である。そして純粋なだけに、自分を責めたり、自分を犠牲にして親を守ろうとするものだ。これを認識して、親が社会と向き合い、不利益をこうむっても不正は甘受しないという覚悟を持ち、その決意を子供に伝えておかないと、子供が理不尽な目に遭って自殺する悲劇は無くならないだろう。


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by ruhiginoue | 2013-09-17 17:35 | 社会