井上靜の気楽な日誌です。気楽にコメントしてください。おたよりも気楽にe-mail:ruhiginoue@excite.co.jpまで


by ruhiginoue

袴田事件とヒラメ判事と法学部

 ぼくのお父さんは九大を出ている。九大は九州大学のことだけど知らなかったから、日本の大学には一から十まであると思っていた。そして十大が日本で一番入るのが難しいと聞いていたから、九大は二番目だと思っていた。
 という六歳の子供の話があって、もちろん東京大学は「とうだい」で、「十」は「とお」だから「十大」は「とおだい」である。こういうことがあるから、変換のとき「とう」ではなく「とお」になる場合は、「遠くの、大きな、氷の上を、多くの、狼と、コオロギが、十、通った」という懐かしい憶え方を思い出すことになる。

 ところで、冤罪事件といわれる袴田事件で、目撃者が死刑囚のアリバイを証言したという。証拠の捏造や取り調べの拷問が問題になり、また、担当した裁判官のうち判決文を実際に書いた主任判事が、自分は無罪にすべきと主張したのに裁判長らによって押し切られ強引に有罪にされたと告白したので、大騒ぎになった。

 この告白をした元裁判官は九州大学を出ている。成績は優秀で、裁判官になってからは良心的な仕事ぶりだったが、この事件のことで後悔の念を口にし続けた。これを基にした映画「BOX 袴田事件 命とは」の中で、強引な有罪がいかに法の精神に反しているかを説く主任判事に対し、もう一人の裁判官が「国立出に言われなくても解っている」と可笑しな反発をする場面がある。
 この国立にコンプレックスがある私大出の判事が同窓会に行く場面があり、そこでみんな「都の西北」と歌っている。そして、その裁判官が出世したことを、教授や同窓生らが喜んで称えていた。

 かつて司法試験では「中東戦争」とマスコミが名づけたように、中央大学法学部が東京大学法学部と合格者数を競い合っていたが、八王子の僻地に移転してから不便になりすぎた中央は転落して、今では早稲田大学法学部が取って代わっている。
 しかし、優秀かつ良心的な仕事ぶりで官学に対抗するならともかく、出世亡者の「ヒラメ判事」になっては情けない。
 そういう人が少なくないと、早稲田の現役学生に聞いたことがある。早稲田や慶応など名門私立は、官学に対抗するつもりで権力に擦り寄るようになってしまったらしい。むしろ反骨精神を発揮しているのは、かつて東大出の評論家・大宅荘一にお手軽という意味で「駅弁大学」と皮肉られた、旧帝国大学ではない地方の国立大の、先生たちである。
 そんな先生たちは、色々な大学に講師として趣いて、交通費がかかりすぎ不採算なのだが、持論を説くために飛び回っている。そういう先生の授業がもっとも面白かったという思い出がある。自分の出た大学の法学部では、司法試験をほったらかして、犯罪学とか冤罪問題とか京大事件とかドブロク訴訟などの話ばかりしている先生がいっぱいで、楽しかったし、結果としては役に立ったと思っている。
 しかし、ヒラメを寿司ネタにする作業がいまいち進んでいないから、努力不足を反省している。

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Commented by 日田こまち at 2013-11-23 00:11 x
「はちだい」は八幡大学(現・九州国際大学)です。
私は高校2年から1浪してセンター試験が終わるまで、福島大学行政社会学部が第1志望でした。(大分出身です)
最近になって、この学部が「法学部」を名乗れなかった理由、そして実態は公務員養成予備校だったことをネットで知りました。
Commented by ruhiginoue at 2013-11-23 13:03
 八が九になったのですか。
 七はどこでしょうか。六大学というのは六つの大学ですが。
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by ruhiginoue | 2013-11-18 13:30 | 司法 | Comments(2)