コメントの他に、表示されている著書をクリックしてその感想をアマゾンのレビューに投稿してくださることも歓迎です。おたよりはこちらへruhiginoue@excite.co.jp


by ruhiginoue

靴みがきの仕事をする未成年者

 『じゃりんこチエ』で、主人公の小学生チエが、父親の経営するホルモン焼き屋の店番どころか店をきりもりしていて、それは父親が仕事をほったらかして博打をしに行ってしまうからなのだが、そこへたちの悪い客がつけこんで、代金を誤魔化そうとし、しかしチエは床に落ちている串を見咎めて喧嘩になる、という場面があった。
 そもそも父親がとんでもないし、児童労働も問題だし、そのうえ客も客で、いったい大阪の人は何を考えているのかと、他の地方の人は吃驚してしまう。もしもそういう店に入ったら、代金をちゃんと支払ったうえ、頑張っている健気な子供にチップを渡し、これは親には内緒にしておけと言うものではないか。これを大阪の人に言うと、あの通天閣の界隈は特殊だと言うのだが。

 『天才バカボン』では、バカボンが靴磨きでやけに稼いでいるのに気づいたパパが様子を探って見ていると、バカボンは両親が死んでしまったから働いているということにして同情を誘い、代金のほかにチップをもらっていた。それでパパは真似して稼ごうとするのだが、両親が死んだ話に「あんたくらいの歳なら珍しくないことだ」と客にあっさり言われてしまうから、見ているほうは大笑いであった。

 これが大島渚監督のデビュー作『愛と希望の街』では、主人公の中学生が母子家庭で貧しく、母親が靴磨きをして細々と稼いでいたが病気になって寝込んでしまい、それで息子が代わりに仕事に出るのだが、やってきた警察官にとがめられてしまう。同じ場所で働いている同業者が、事情があって息子が代役をしていると説明してくれるが、警官は、営業許可を受けた本人ではないから違反であると官僚的に言う。そのうえ未成年者だから児童労働でも違法行為になると指摘する。
 それなら、役所に行って生活保護を申請するよう指導するべきだが、それは警官の仕事ではない。違反の取り締まりをするだけ。もちろん役所は、申請したところで難癖をつけてなかなか受理しない。困った少年は詐欺まがいのことで金を稼ぎ、一時をしのぐ。これが原因で、卒業後の就職が駄目になる。これを中学の担任の教師が抗議するけれど、会社は、貧困な事情があっても駄目なものは駄目だと突っぱねる。

 この映画は、大島渚がまだ若くて元気だったため、彼の気骨が反映していた。しかし社会が安定してきたため、社会性のあるメロドラマは受けなくなった。そして彼を中心とした「松竹ヌーベルバーグ」は終わったのだった。
 しかし、どうも最近の風潮だと、またあの時代と同じことになりそうな気配である。

人気ブログランキングへ1日1クリック投票をお願いします
[PR]
Commented by 白田川 一 at 2014-03-12 10:13 x
  児童の年齢的定義について申させてもらうならば、【中学生以下】を児童とし、中卒以上は児童と見なさず、高校生相当の年代については【準成年】とするべきであると考えています。高校生までをも児童と見なす考えは左翼的であり、おおよそGHQによる差し金が大きいものと言えます。高校生ををも児童扱いにして甘やかせば甘やかすほどに、社会人意識や自己責任というものが涵養されず、甘え癖がついて選挙にも行かなくなったりするようなものです。

  ところで、オーナー氏は児童は何歳以下で、成人は何歳以上であるべきとお考えですか?事務的な回答はやめて下さい。
by ruhiginoue | 2014-03-04 19:44 | 映画 | Comments(1)