井上靜の気楽な日誌です。気楽にコメントしてください。おたよりも気楽にe-mail:ruhiginoue@excite.co.jpまで


by ruhiginoue

死刑は国家による殺人だと言っていた奥崎謙三

 記録映画の名作『ゆきゆきて神軍』の原一男監督が著書で述べていたが、この映画の主人公である自称神軍平等兵・奥崎謙三は、自らの体験から戦争責任を追及する中で、かつて軍隊で暴虐の限りを尽くし部下を何人も死に追いやった元上官を殺害しようかと考え、その場面を撮影してくれないかと監督に相談したそうだ。
 これについて、記録映画はどこまで許されるのかと監督は悩んだという。よく、本当の殺人場面を撮影したという恐怖映画仕立ての記録映画は、だいたいヤラセの嘘である。

 その一方で、実現はしなかったが、できれば撮影したかったらしい場面もあり、その最たるものとして、奥崎が報道によって知った幼児殺害事件のことがあった。子供を殺された母親が悲しみと怒りと憎しみから「犯人を死刑にして欲しい」と言っていたので、その母親を奥崎が訪ね「死刑は国家による殺人だから駄目だ」と、戦争体験者の立場から説いて聞かせる、という場面を撮って欲しいというものだった。

 つまり、彼は自ら殺人をも厭わないが、殺人事件の犯人を殺すことには反対していて、それは、権力を笠に着て人を死に追いやって責任も取らない者は許せないからテロというより怨恨による暴力も辞さないとしながら、しかし、それゆえ、どんなに許せない犯罪者でも死刑にすれば国家による殺人を容認してしまい、これは戦争にもつながるから駄目というわけだ。

 この発想は、過酷な体験をした者が狂信的になってのものだが、そもそも「疑わしきは罰せず」とか「犯罪者を百人逃しても一人の無辜を罰するなかれ」などといった法律の精神の基となっているものだ。
 だから、この発想が弱すぎる日本が国際世論から批判される現実とは、ようするに、日本では、真に苦労した人たちがないがしろにされているということであり、このところ世間で支配的な死刑の維持推進とか刑事事件での厳罰化というのは、実は逆に世の中の厳しさを知らない甘ったれた人たちの考えということだ。
 これでは社会が衰退して当然で、ほんとうに嘆かわしい。


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Commented by at 2014-03-31 02:04 x
 大いに同意します。吊るせ!吊るせ!な人たちは、(身も心も”貧しい”)私人による殺人には極めて厳しいですが、国や会社の偉い人がご都合主義と金儲けのために、権力を振りまわして、自らは手を血で汚すことなく、人を死に追いやることには極めて寛容で、気にも留めません。まともな倫理観があれば、いい家に生まれていい大学を出て、いい暮らしをしていて働かなくても食える財産もちで地位が高い奴が、自分の責任が問われることがないのを前提に、しかも手を汚すこともなく、口調の来た快適な部屋で会議をした上で、自分のご都合で人を殺す、しかもしばしば大量に殺すのですから、こちらの方が遥かに悪い。筆頭は数十万人を死に追いやった小泉一派でしょうし、その”小泉”を準備したのは小選挙区導入の細川でしょう。もちろん、経団連な連中も。
 しかし、厳罰派も世間一般もぜんぜん気に留めず、本当に邪悪な連中は、むしろ人気者であったりする。確かに、永遠の12歳ですね。
Commented by 次郎くん at 2014-03-31 19:17 x
>L様、大切な事をお忘れですよ、本当に邪悪な連中もまた、プロ家畜どもとは違った内容で苦しみますよ。悪事が上手く逝き過ぎて笑いが止まらない状態は、体液を「強アルカリ」に偏らせますから癌系統のビョーキに罹りやすくなります。食われる側とは違った方向で平穏な精神状態に至ることも出来ませんから、将来罹患するビョーキの予防法も功を奏しません。所詮は搾取する側に廻れただけで、搾取される側と同じく永遠の12歳からの脱出をする努力を理解してくれる環境の整備の問題では同じなんです。同情をしてくれるプロ家畜が何億居ようとも何等の助けにはなりませんね。
Commented by ruhiginoue at 2014-03-31 20:07
 それらは昔から指摘されていて、これについて岡庭昇氏は「倒錯したマゾヒズム」と、斉藤貴男氏は「国家に支配されたがる人々」と表現していました。
Commented by 白田川 一 at 2014-04-01 14:18 x
  「世の中の厳しさを知らない、甘ったれた人間」と言うならば、日本女子の方がかなり始末が悪いものがあります。「どんな状況であっても私達女子を守ってくれて当然」という厚かましいまでの浅ましさに、私は時折憤慨することがあります。
が、日本女子をそのような不埒分子に仕立てた張本人と言うのも、創価公明や矯風会と言った宗教系左翼組織の仕業であり、故に「信教の自由は【害】」でしかないようなものです。宗教と性平等は【トレードオフ】(両立し得ない関係)です。


  そうですよね、次郎くん殿。
Commented by 次郎くん at 2014-04-02 00:59 x
>白田川殿、その通りですね。>主宰者様、皆様
「宇宙一いい加減な博士+阿修羅」で検索すると出る、かつて「日本トランスパーソナル精神医学会」に所属しておられた、伝説の東大卒の本職は外科医の紹介をしたのもそのためです。古今東西の聖賢たちは、男性の弟子たちには不出来な女たちに(マジメ女性にはDV男ですが)ひっかからないために細心の注意を払うことを説かれたのですが、ここまで「政治の季節の罠」にはなっている存在たちに理解しやすく説かれたお方を知りませんので、それで主宰者様や白田川殿を含みます皆様に紹介をとあいなった理由です。

「宇宙一いい加減な博士+阿修羅」で検索すると出る名医が、全国「精神病者」グループの人々が、1980年代の中期から2000年代初期にかけて、交互に住み込みで働きつつ神戸近くの病院に学習に行く位に惹かれた存在ではなくて、本当は東久邇宮元総理ではないか?とか、東伏見宮元貫主ではないか?などと疑った?コトもありましたですよ。
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by ruhiginoue | 2014-03-30 22:01 | 社会 | Comments(5)