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by ruhiginoue

労働運動の啓発劇

 労働組合のナショナルセンターである連合が、メーデーの集会に自民党へ招待状を出し、安倍首相が出席するという。
 これを問題にしている人たちがいるけれど、しかし連合は原子力業界で働く人たちのため脱原発に反対するという方針を立て、都知事選挙でも舛添支持を表明したうえ、連合の支持を受けている民主党は細川支持しながら、その内容の実質は支援に見せかけた妨害であったという指摘もあるほどである。
 なので、連合がメーデーに安倍総理を呼ぶことはむしろ当然だろう。
 また、連休の都合でメーデーの日を変えようと言い出して実行した連合は、メーデーとはそもそもアメリカで始まったゼネストであるという原点を忘れている。
 
 労働運動の意義が忘れられているけれど、そもそも知らない人のほうが多いはずだ。 
 それを映画『浮草日記』(1955年)は、旅芸人一座を通じて描き出している。戦後間もなく、旅芸人一座が横暴なパトロンから独立するため仕事を探しまわり、労働組合の依頼で運動運動の劇をすることになる。
 この過程で、無関心で知らなかった労働問題を、演じることで理解する。もともとドラマという言葉は、古代のギリシャで演じたり鑑賞したりすることにより啓蒙するものとの意味だった。
 そして監督の山本薩夫は、社会派の内容を面白く描く手腕に長けているので巨匠と呼ばれていたから、旅芸人の一座が労働運動の劇を悪戦苦闘のうえ成功する様子も楽しく描いている。
 たとえば、主人公の女優(津島恵子)が、経営者のお嬢様を演じようとするがうまくできず、座長(東野英治郎)から「普段からオテンバしてるからだ」と叱られ、本番でも「おとっつぁん」と言ってしまった後で慌てて「お父様」と言い直し観客から大爆笑されるのだが、そのあと、労働者の男性を好きになってしまい、勘当覚悟で後を追うさい履き慣れないハイヒールのため転んでしまいまた笑われると、ハイヒールを脱ぎ捨てて走り出すことで庶民の側に行くことを即興で見事に表現し、観客から拍手喝采を受ける。
 また、当時は美空ひばりが天才少女と人気だったから、この真似をして歌のうまい女の子を出演させ唄わせるのだが、それで芸名もあやかって「大空ひばり」。江口寿史より25年も早かった。
 というわけで、お奨めである。

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by ruhiginoue | 2014-04-20 09:35 | 映画 | Comments(0)