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by ruhiginoue

風化する天安門事件

 NHKのラジオで、「学生運動が力づくで鎮圧された後、経済発展したものの、貧富の差の拡大と官僚の腐敗により、政府への批判も強まり、これに対して政府は情報統制をしているらしい」という趣旨の話をニュースとしてやっていたが、これは日本のことかと思ったら中国のことだった。NHKが外国に批判的な報道をすると、日本のことを棚に上げて、よく恥ずかしくないなと感じる。

 これは第二次天安門事件のことを言っていたわけだが、どの報道でも「天安門事件」といっていた。ほんらい天安門事件とは、周恩来総理が死去し、この追悼のため天安門広場に集まっていた人民が、あの「四人組」に怒りだして騒いだため、それを当局が強引に解散させようとして暴力沙汰になったことだ。
 だから、その後に起きた、天安門広場で学生運動が軍隊に蹴散らされた事件は、第二次天安門事件である。ところが、後のほうを単に天安門事件というようになったので、前のほうは「第一次天安門事件」と区別して言うこともある。

 天安門事件は四半世紀経過して風化してきたが、この背景には、中国が経済発展し国民の暮らし向きが向上した現実と、この経済発展最優先の方針をとった中国と欧米や日本が商取引してきたという事実とがある。
 この良い例が先日映画化された英国のサッチャー首相で、香港の交渉で破れたことを率直に回顧録で認めていたが、その腹いせで天安門事件を「身の毛がよだつ」と非難したものの、その中国から安い資源をどんどん輸入し、中国と自国企業の両方を潤わせながら、国内の炭坑などを経営破綻に追い込み、多くの失業者をだしている。これと日本の企業も同様なのは言うまでもないこと。
 
 それと、天安門事件の当時、中国の政治指導部には、かつての文化大革命時代の苦い経験から、若者の青臭い理想主義など非現実的で邪魔にしかならないという確信があった。そう確信させたのは日本だったと言ってもよい。現に日本は学生運動を蹴散らしているし、公害だらけにしながら経済発展を最優先させ、敗戦国なのに戦勝国の中国より富裕になってしまった。これを中国の政治指導者たちは客観的に分析し、来日して見学もしていた。
 だから、この中国政府の方針が、いちおうの説得力をもったのだった。

 そして日本では、今ちょうど学生運動をしていた世代が老人になって社会に害毒を垂れ流しているので、学生運動に対する印象が悪くなっている、ということがある。
 前にも触れたとおり、今の老人世代は、若い理想に燃えて闘ったのではなく、親のすねかじりの無責任な正義感と、学業を怠ける口実として運動ごっこしていた者がいた。そして、大学で授業に乱入し妨害してやったとか、生意気な下級生を角材や鉄バイプでめった打ちにして入院させてやったとか、そんな学生運動に名を借りた異常な行動を武勇伝として得意になって語っている。
 これは一部の劣悪な者だが、そういうのに限って威勢だけは良く目立っているし、今の「人権擁護運動」にも、そうした老人たちが居座って、無茶苦茶なことばかりしているので、まともな運動にならない。

 つまり、いくらマスメデイアが空騒ぎしても、中国には上記のように政治的かつ大衆的なアシストがされてきたのだ。だから事件は風化している。
 加えて、日本に来ている中国人の話を聞くと、政府支持者は中国共産党を擁護し、あくまで当時の李鵬首相が悪かっただけだと言っている人もいる。子供がいなかった周恩来夫妻の養子として育てられ、政治家の器ではなかったのに七光りで周囲から持ち上げられてチヤホヤされながら首相にまでなり、思い上がってた。
 だから、自民党ではなく安倍総理が悪い、というのと同じことだそうで、そう言われると、日本の自民党支持者らは否定しにくいのではないか。

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by ruhiginoue | 2014-06-05 18:53 | 国際