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by ruhiginoue

石原伸晃の「最後は金目」発言は当たっている部分もある

 石原伸晃の「最後は金目」発言が問題になり、彼は謝罪したうえ撤回したそうだが、結局は金が目当てだと言われたら、そうでなければもちろん、実際にそうであっても、言われたら誰だって不愉快であるくらい簡単にわかるはずだ。
 それをウッカリ口に出してしまうのだから、「親が親なら子も子」ということで、かつて父親の慎太郎が公害に苦しむ住民の訴えに対して「知能指数が低い」などと侮辱したことを思い出した人が多いようだ。

 ただ、受け容れるかどうかは金次第という点だけは、当たっているということもできる。実際に、その最たるのが原発の関係だが、他にも米軍基地など迷惑なものは、補助金とか交付金とかで「札束で顔をひっぱたく」ようにして押し付けてきたのが現実なのだ。
 そうなってしまうのは、とにかく金が欲しいという土地柄であるからだ。原発事故で福島から他所へ避難した人たちが、なかなか故郷へ帰ろうとしないのは、まだ汚染が心配だからというのは表向きで、当事者たちに訊くと、今居る土地のほうが住み心地良いからだというのが本音だという報道があった。
 それによると、買い物から何から何まで便利だし、子供の学校の選択肢も多く、将来のことを考えたら、故郷に帰るよりここで避難生活しているほうが遥かに良いと証言する。これはもっともなことで、そもそも原発が建っている所は僻地だから、補助金とか交付金の「バラマキ」とか「薬漬け」などと皮肉られる方法が有効なのだ。

 これに地元で反対する人もいるけれど、すると権力からではなく、他の一般住民から迫害されてしまう。
 この実例として、祖父が医師だったという同級生の話を聴いたことがある。その祖父は地元では神童とか天才とか言われるほど成績優秀だったが、大学に入り都会に出たら自分より成績が良い者など大勢いて衝撃を受けたそうだ。そして大学を卒業した後に故郷の福井に帰り医師として働くことになった。
 それから十数年経過した時、原発の計画が持ち上がった。これを知った祖父は、地元のためにならないと言って反対の声をあげた。しかし田舎の人たちの多くは「何だかわからないけど何か大きな施設が建設される」「何だかわからないけど何か村興しになるらしい」「中央から大金が出るそうで結構なこと」としか考えられず、原発の事故や汚染などの問題は想像を絶する話であり、どんなに丁寧に説明しても理解してもらえない。
 そして、地元のためになることを妨害する悪い人だと、地元の庶民から白眼視されてしまったというから、まるでイプセンの戯曲『民衆の敵』 である。

 つまり、僻地だから原発を受け容れた福島の人たちが、原発事故のおかげで「結局は金目」と見下される土地から解放されたという皮肉な言い方すらできる。そして迂闊な政治家が口を滑らせるというわけだ。

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by ruhiginoue | 2014-06-19 21:34 | 社会