コメントの他に、表示されている著書をクリックしてその感想をアマゾンのレビューに投稿してくださることも歓迎です。おたよりはこちらへruhiginoue@excite.co.jp


by ruhiginoue

朝日新聞の名記者・深代淳郎と本多勝一の対立

 雑誌記者の西岡研介氏が、あいかわらず「どっちもどっち論」は一定の幅を効かせているとしたうえ、そんなどっち付かずの態度は自らをヘタレであるという札を下げているも同然だと批判していたのを読んだ。

 その「どっちもどっち論」を、70年代に朝日新聞の人気コラム「天声人語」が、都知事選挙のさいに説いていた。美濃部と石原の両候補について、相手候補に「アカ」と非難をする石原陣営の態度を問題にした美濃部陣営は「ファッショ」であると批判したが、すると「天声人語」は「どっちもファッショ」だと批判したうえ、罵り合いではなく政策論争をするべきだと説教した。
 しかし、「アカ」という非難をするのはレッテル貼り攻撃であるから、そんなことをするのは「ファッショ」であると反論したのに、「ファッショ」と言い返すこともレッテル貼りで「ファッショ」であると言ってしまうのは可笑しいだろう。

 この「天声人語」を書いたのは深代淳郎という朝日新聞の名記者であった。「深代淳郎の天声人語」(朝日新聞社刊)に収録されている。
 新聞の一面で記事の下に掲載されているコラムといえば、どの新聞のものでもつい「天声人語」と言ってしまう人がよくいるほどだが、そうなることに貢献した一人が深代淳郎記者であった。

 そんな名コラムニストが、「どっちもどっち論」を「天声人語」で説いたのだった。だから単行本の帯に「反骨のコラムニスト深代淳郎」と書かれていることには違和感があった。後に雑誌記者の松浦総三氏は、著著「『天声人語』の天皇と戦争」(蝸牛新書刊)で深代の体質が「タカ派」だと批判をしていた。

 また、やはり朝日新聞で特に有名な本多勝一記者が批判して、「この天声人語の論法がまかり通るなら、10にしたい政治家は、反対する相手方が0と言っていたら20と言えばいい。そうすると中立を標榜する新聞は間をとって10と書いてくれる」という趣旨の指摘をした。「事実とは何か」(朝日文庫)などに収録。

 ここで本多記者は天声人語を書いた記者の名を出さなかったが、後記で、その記者がガンで早死にしたことに触れていたし、また「深代淳郎の天声人語」に収録されていることもあって、誰のことを書いたか判る。
 
 そして、この当時、深代淳郎と本多勝一の朝日新聞名物記者同士が「激論」になったということだったが、こういうことが乏しくなったので朝日新聞は緊張感がなく退屈である。
 あのヘタレ社長の体制では仕方ないか。退任するらしいから、サッサと失せて欲しい。

[PR]
by ruhiginoue | 2014-11-09 09:30 | 社会 | Comments(0)