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by ruhiginoue

医学論争なんて大した問題ではない

 『患者よがんとたたかうな』『がんは切れば治るのか』など、近藤誠医師の本は何冊か読んでいる。彼が勤務する慶応大学には、慶応病院で会った医師もいるし、他の大学病院で会った後に慶応に転勤した医師もいるし、まったく個人的な知り合いの医師もいて、その評価は色々と聞いている。

 あの、今は亡きマイケル=クライトンは、ハーバード大の医学部に在学中に医学を扱ったミステリーを書いたら売れたうえ受賞もしたが、大学で先生や先輩から色々と言われるのを避けるために英国在住の架空の医師が著者だということにしていた。渡辺淳一も色々と言われているが、本を書いて売れると、マスコミ向け一般大衆受けのを狙っているということで、大学では目の敵にされることがあるようだ。

 これは他の学部でもあり、例えば筒井康隆が『文学部唯野教授』という小説で、文学部の教授が小説を書いて受賞したら、それを妬んだ同僚から敵意むき出しにされる様子を笑い話っぽくネタにしている。

 ところで近藤医師の著書は、抗がん剤の問題とか手術の問題とか、一理あるかなと思ったが、自分が専門の放射線治療を推奨するんで我田引水と感じた。もともと放射線治療にもいろいろ問題があり、だからもちろん広瀬隆など、かなり批判していた。
 しかし、それより、最近では近藤誠が曽野綾子と対談というから、いかりや長介じゃないが「駄目だこりゃ」と思った。

 がん治療への医師からの告発に対し、医療の否定だという医師からの反論、どっちもどっちというところで、まるで「ゾウは、どんな動物か」「もちろん、鼻が長い動物だ」「何を言っているんだ、身体が大きい動物だ」「いや、牙が生えている動物だ」というのと同じくらいの視点バラバラである。

 こうした議論の虚しさは、これからますます、多くの国民にとって医療が無意味となっていくことにある。どっちにしても、治療には金がかかる。そして、多くの国民は金がなくて無縁なものになる。株価を操作するため年金をつぎ込んだりTPPで金持ち有利にしたりでは、庶民は重い病気になったら観念するしかない。
 つまり、政治の前に医者は無力ということだ。だから、せっかく医者になったのに、政治家になっちゃう人がいるのだ。せっかくピアノがうまいのに、なんで指揮者になっちゃのかな、というのと同じことだ。


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by ruhiginoue | 2015-07-10 20:56 | 学術 | Comments(0)