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by ruhiginoue

おそらくシリアのアサド大統領は勝利する

 「イラクのどこに大量破壊兵器があった?この調子では、われわれもフセインのように殺されるぞ!」
 リビアのカダフィは国際会議で怒りとともに熱弁をふるって訴えていた。しかしシリアのアサド大統領は、聞きながらへらへら笑っていた。

 カダフィは、国連でも訴えていた。「国連憲章に、加盟国は平等だと書いてある。なのに、なんで一部の国だけが拒否権を持っているんだ」そして国連憲章の冊子を放り投げるパフォーマンスをしてみせた。
 この時、彼はカラフルなアフリカの民族衣装を着ていた。前は軍服を着てサングラスをかけて強面だったのだが、汎アフリカ主義となって南アフリカ共和国のネルソンマンデラ大統領やマルコムXの孫と会談をしていた。虐げられたアフリカをなんとかしようという方に変わったわけだ。しかしマルコムXの孫も不可解な殺され方をした。

 カダフィの言うことは正論だったが、アサド大統領は拒否権を持つ国に媚びていた。アメリカと険悪になればロシアになびき、ソ連崩壊しそうな時には多国籍軍に参加し一緒にイラクを攻撃した。プーチン大統領が登場して強いロシアの復活を推進すれば、またなびく。
 もともとアサド大統領の一派は、宗教の後ろ盾などから少数派だった。だから露骨に蝙蝠のような態度をとることで、厳しい国際情勢を生き延びてきた。なので国民に対しても「文句あるか」と言う調子だった。国民の大多数から支持されてなくても、半端に人気があるやつらよりうまくやってる、ということだった。

 おかげで、リビアとは違いシリアは、ロシアが中国も抱き込んで国連で拒否権を発動しNATOの軍事介入を防いで、さらにイスラム国の過激派を退治するという名目で軍事介入し支援を始めた。
 つまり、正論や原則論を大真面目にぶち上げるよりも、強い者にくっついて回る方が生き延びるということだ。これは国だけじゃなくて個人でも、何でも同じこと。嫌な現実である。ただ現実を見なきゃいけない時もある。


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by ruhiginoue | 2015-10-05 18:31 | 国際