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by ruhiginoue

日本人がいなくなれば良いと思っている人たち

 「国がなくても人は生きていけますが、人がいなければ国は存在できません」
 「君は無政府主義者なのか」
 「いいえ、私は菜食主義者です。もっとも、うまそうな肉料理をみるとすぐに戒律を破りますが」
 「まじめにやりたまえ」

 SF『銀河英雄伝説』で、査問にかけられたヤン ウエンリーが持論を説きながら皮肉を言う場面であるが、もっと凄い発想はSFニューウエーブのフィリップKディックとロジャー ゼラズニイの共著『怒りの神』であった。
 人間がいなくなっても愛国的思考をマイクロカプセルに記録して地底に埋めておけばよいと説いた狂信的官僚のために核戦争が起きてしまい世界の文明は破滅する。その後、生き残った人々は、その狂信的官僚によって今の世界が創造されたのであるから、彼を神として崇めている。

 このぶっ飛んだ発想こそ文学というべきで、それに比べると田中芳樹の正論は御託である。
 
 ところが、今の日本には現実に、人がいなくても愛国的思考が記録されていれば良いと考えている人たちがいる。
 例えば、「保育園落ちた日本死ね」と書いた匿名ブログのことである。
 過日、女性は仕事より出産だという極論というか暴論というかを訓示して問題になった校長がいる。もちろん性別にからんで価値観の押し付けをしてよいことにはならないが、そんなことを言ってしまったのは、人がいなくなっては国の存亡に関わると思ったからとのことで、そう思う人は少なくないはずだ。
 だから、少子化が心配されているのに保育施設が足りないという状態を放置してるのでは、日本の国に死ねと言っているも同然である。
 
 ところが、この皮肉に対してテレビで津川雅彦がそれを書いた人が死ねばいいと暴言を吐き、それで辛坊治郎らが大笑いしていた。この人たちはもともと受け狙いで差別発言など下品なことを吐き出しているけれど、つまりこの人たち及びこの人たちをテレビに出している人たちは、日本が滅びたらいいと思っているのだろう。

 そうでないとしたら、日本から人がいなくなっても愛国的思考がどこかに記録されていればよいと思っているのだろう。
 その反映として、例えば、優秀な人材が育たないと国が発展しなくなるというのに、金がなくて進学できない人が大勢いて、だから問題になっているのだが、それをどうにかしようというのではなく、国立大学で国旗掲揚と国歌斉唱を儀式で実施しろと命令している。
 
 ついに日本はSFに追いついてしまったということだ。 

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Commented at 2016-03-28 02:50 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by ruhiginoue at 2016-03-29 15:32
返事がなくてよいなら非公開コメントで、質問などはメールで、というのが良いかもしれません。
Commented by at 2016-04-16 03:47 x
純粋なあくにんなど存在しなくて某行為が「悪」なんだと思います。
その裏の「善」。

純文学は笑って誤魔化す行為に似ています。
Commented by ruhiginoue at 2016-04-17 19:03
真面目なようでいて問題提起ではなく茶化している文学が多いと思います。
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by ruhiginoue | 2016-03-27 17:40 | 社会 | Comments(4)