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by ruhiginoue

原発再稼動の宣伝と石坂浩二と劇団四季

 原発再稼動の広告に俳優の石坂浩二が出ていて、この種の宣伝は報酬が高いので金に目がくらんだのだろうと言われているが、そうではなく彼本来の体質だろう。
 もともと石坂浩二は、なにより社会的成功という俗物であることが言動に表れている人だった。個人的にそうであるだけでなく、彼はかつて劇団四季を舞台にしたテレビドラマで浅利慶太にふんしていたが、この周辺の人たちの体質が総体的にそうである。
 
 この浅利という元演出家の劇団経営者は、かつては安保反対とか言っていたが、その後は「演劇界は左翼ばかりだから大企業がスポンサーになってくれないのだ」と言い出して政財界にすり寄るようになって、選挙でも自民党の右派を支援してきた。
 これは、例えば中村敦夫が、かつて千田是也と喧嘩したことからリベラルだけど左翼嫌いというのとは違う。新劇の体質とは馴染めないというのではなく、金の問題である。

 そもそも演劇は古代ギリシャの時代から人を啓蒙するものだから、人と社会を洞察するには進歩的とか反体制とか反権力でないと成り立たないので左翼も多いのだが、それでは経営が厳しいので体制とか権力にすりよる人がいて、その代表が浅利慶太だった。
 劇団四季は最初はいかにも新劇ということをしていたが、経営難になってからミュージカル路線となり、確実に受けるから金を出してほしいとスポンサーに向かって言うために、すでに外国で当たったものを内容から演出方法まで模倣した。これをビートたけしが「浅利慶太の猿真似芝居」と皮肉ったのだった。

 それでも浅利慶太は処世術として確信犯なのだが、そこへ表面的な華やかさだけにひきつけられる人が勝ち馬に乗ろうとして寄ってくる。こういう人たちは演劇で人間の本質に迫ろうという奥深さなど野暮だとしか思っていない。
 ある演出家が、幸福そうにしろと指示すると人を見下したような顔をする役者が増えてしまったと世相を嘆いているが、劇団そのものがそれを事業にしてしまったのだ。

 これは、報道の仕事がしたいのではなくマスコミに就職したいという人たちと似ている。ブン屋とかルポ屋などのジャーナリストではなくマスコミ人になりたいのと同じで、芸人とか役者ではなくタレントとかスターになりたいだけ。
 そうしているうちに、マスコミはスポンサーから金を引き出すこと自体が目的と化してしまい、広告だけ目当てのやくざ者がやっている総会屋雑誌に限りなく近づいてゆくものだが、演劇とか映画も似たようなことがある。

 そして、前に実際に劇団四季に属している人と話したら、まったく思っていたとおりだった。だから、石坂浩二も単に金に目がくらんだのではない、と思うわけだ。

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Commented at 2016-04-08 16:24 x
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by ruhiginoue | 2016-04-07 17:32 | 芸能 | Comments(1)