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by ruhiginoue

マスコミへの電通の影響力

 オリンピック誘致の買収疑惑が持ち上がっているが、もともと何気ない買収ならあったといわれている。
 たとえば、「アンケートにご協力を」と言って、用紙とともに記入用の筆記具が渡され、記入した用紙を回収したら、筆記用具は持ち帰ってけっこうですということがある。こういう場合の筆記具は百円もしない景品用のボールペンなものだが、それが何万円もするモンブランなどの高級万年筆だったりするから、明らかに賄賂である。

 ところが今回の買収疑惑は億単位の送金というから本格的で、そうでもしないとオリンピック開催権を「落札」できなかったのだろう。東京に決まったとき、なぜかと不可解に感じた人は多いはずだ。
「そういうことだったのかと」いうわけだ。
 
 もとは石原都知事が基地問題で「横田基地返還」をぶちあげて、「首都のど真ん中を外国軍基地が占領しているなんて国辱」と息巻き人気取りしたが、その実現が無理なのでオリンピック誘致の話をはじめて話題を逸らしただけだったはずだ。そんなことに都の財政を無視した大金を投じた。

 ここで送金したのは、宣伝をとりおこなう「電通」だったが、外国の報道と違って日本のマスコミは電通の名を出さない。

 日本でも人気があるアメリカのドラマ『奥サマは魔女』で、ダーリンは広告会社に勤務していて、商品の宣伝からひと騒動あるのが見せ場と風刺になっているが、こういうことが日本はできない。日本の業界は広告代理店の競争がなく、電通の独占にちかい状態だからだ。
 これも有名な話だが、かつて日経連の土光会長が東芝の会長だった当時「電通は東芝のために一生懸命やりますと言うが、松下も日立もみんな引き受けているじゃないか」と言った。だから日本では「比較広告」も存在しない。

 それで、広告収入という弱点を握っている電通の名をマスコミは出せない。こうした実態を田原総一朗が『電通』という本にしているが、これが表玄関からの取材なら、裏玄関からの告発調だったのが大下栄治の『小説電通』で、文庫の解説は佐高信だった。「影の情報省」「電通CIA」「マスコミ御庭番」と皮肉られていたし、本多勝一も朝日新聞の記者時代に電通の影響力に言及している。
 
 こうしたマスコミと電通の関係が、オリンピックがらみで外圧もあって暴露されるなら、実に面白い展開であるから、それを期待したい。


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by ruhiginoue | 2016-05-19 17:47 | 体操