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by ruhiginoue

電通はそこまでやるか

 オリンピックの誘致買収疑惑で仲立ちをした広告代理店「電通」が話題になっている。かつては田原総一朗が『電通』という著書を発表していて、『原子力戦争』とともに彼の代表作だったが、そんな名著を記した人がなんでバカテレビ司会者に成り下がってしまったのかと言われて久しい。

 田原総一朗の『電通』が表玄関からの取材のようなものであるのに対し、裏口からといわれるのが大下英治の『小説電通』で、ここには電通が裏ですごいことをやっている話が色々と出てくる。

 例えば、かつて話題になった化粧品の宣伝に、ヨーロッパ人らしき女性が坊主頭に近い短い髪をして出て来てナレーションが「私は美しい」というコピーを唱えるものがあった。これは宣伝業界で日本二位の博報堂が手がけ、大ヒットしたものだった。これにより小さな化粧品会社が一躍有名になった。

 すると、その化粧品会社の衛生管理が劣悪などと週刊誌が騒ぎ始めた。会社の印象が悪くなり商品の売り上げにも響いた。あまりにひどい記事ばかりなので、週刊誌を業務妨害で訴えようかと考えたが、裁判は時間も経費もかかるし、訴訟によってよけいに騒ぎが大きくなるおそれがある。
 それで化粧品会社が苦慮していると、そこへ電通が「博報堂はダメですね。わが社なら、あんな記事は事前に潰せますよ。どうです、今後はわが社に」と働きかけたから、悩んでいた化粧品会社は飛びついた。

 ところが、その週刊誌の記事は、電通が流したものだった。広告を回して儲けさせてやるといって週刊誌を炊きつけるくらい電通にとっては簡単なこと。こうして、自作自演で顧客を横取りしてしまったというわけだ。

 これは実話に基づいているのか、そこまでやるかと驚くような話だ。
 今では田原総一朗の代わりにと言っては変だが、本間龍著が原発の宣伝と電通の深い関わりを告発していて、その本間龍さんは博報堂に勤めていたことがあるそうだから訊いてみたところ、そのくらいのことは電通は普通にやっていたそうだ。
 とくに八十年代はすごくて、企業の宣伝部長に高級外車を贈る、家のローンを肩代わりしてやる、女をあてがう、なんてことまでしていて、同業者にデザインやコピーで勝てなければ営業で、そこには接待や付け届けも含まれ、それでも勝てなれば裏技とか工作で、という具合。
 とにかく、なんとしでても勝て、勝てば良い、というのが田原総一朗と大下英治の本にも出て来た電通鬼十則の基本だということだ。


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by ruhiginoue | 2016-06-02 12:33 | 社会 | Comments(0)